次の時代はどうなるのか

(清水宣晶:) みなさんこんばんは。
ちょっと、会場が大変な状態になっていますが・・。
非常に窮屈で申し訳ないんですが、このほうが会場の活気としては、いいんじゃないかと思っています。

(藤沢烈:) いいと思います!

今回の主旨を簡単に説明しますと、
私は、「ヒトゴト」というサイトで普段、1対1でお話しを聞かせてもらっているんですが、
初の試みとして、インタビューをおこなう過程をみなさんと共有して、そこから出てくる言葉を、臨場感を感じながら聞いていただこうと思っています。
その記念すべき第一回目として、藤沢烈さんに来ていただきました。

よろしくお願いします。

彼は、読書を仕事にしているというわけではないんですけれども、一日に3冊ペースで本を読みながら、書評を書いていまして。
どうしてか、とか、どうやっているのか、といったことをテーマに、私が聞き手をつとめさせていただいて、1時間半の間、お話しを伺います。

今日はありがとうございます。
こんなに人が集まるはずじゃなかったんだよね?
10人ぐらいで同じ机を囲む感じなのかな、というつもりでいたんだけど。

そう、本当はお店からは定員15名と言われていたんだけど、
このスペースに一体どこまで入るんだろうという好奇心もあって、烈にも店長にも無断で、定員よりも多めの方のご参加を受付けてしまいました。
さて、じゃあ最初に、自己紹介をお願いしましょうか。

自己紹介をします。
同年代の支援をやりたいと前から考えていまして、それをやり続けています。
18歳の時に、ネットワーカーとして色んな人をつなげるということをやっていたんですけれど。
まさに今日のような、人が会う場を作ったりとか、東京でやったり地方でやったり、面白い人同士を紹介する、ということを学生時代からやっていました。
その頃に、今日の会場のポートカフェのようなお店を経営していました。それが20歳ぐらいですね。
店は3年間やって、結果としては閉じることになったんですけれど、その後にコンサルティング会社に行きました。
自分でお店をやっていた頃は経営には関心がなくてですね、面白くやっていれば、お店はまわるんじゃないかと思っていた。まったくそんなことはなくて。やはり経営が上手くできないと、続かない。それで少しでも経営の力を磨きたいと思った。
同年代で、自分で会社やNPOを始めた人がいたものですから、単に人をつなげるだけじゃなくて、経営スキルを提供することをやりたいと思ったんですね。

会社には2年間だけいまして、その後はベンチャーに特化したコンサルティング会社を立ちあげて、今までやってきています。
それも最近は、おつきあいしている会社だけにとどめて、拡げてないんですね。ここで本の話と絡みます。色々と会社の支援をして、知り合いが上場したりもしましたが、その先を考えると、単に経営スキルがあるだけじゃダメで、もっと今の社会がどうなるのかを見つめないと、意味無いなと感じたもんですから。
次の時代を考えるために、まず自分が学んでいこうということで、本を読みつつ、仲間と研究も始めています。

まとめますと、最初は人のつながりを作る、ということをやっていて、その後、経営的な面での支援をしていました。
今は、次の時代がどうなるのかを考えながら、色んな経営者だったりリーダーの人たちと考えていくことをしていきたい、と考えています。
今はそのための研究期間です。そんなわけで日々、本を読んでいるのです。

はい。
(会場のみなさんに)大丈夫でしょうか?
ここまでのところは、わかっていただけましたでしょうか。

謎だらけ、かもしれないね。

まあ、この、経歴だけを聞くと、
読書とはあまり関係ないよね。

でも、今日のテーマは読書で、はい。

烈も、起業とか、ベンチャー支援ということについては
これまでに色々と話しをしてきていると思うんですけれど、
おそらく、読書について話すことは、なかったんじゃないかと思います。

ないですね。
本邦初公開。

だよね。
なので、非常に貴重なお話しになるんじゃないかと思います。

読書をするようになったきっかけ

まず、何で、読書をするようになったのか、っていうのを聞きたいな。
ブログに毎日、読書日記を書くようになったのは、1年ちょっと前からだよね?

1年半くらい前に思い立って。
本を読むことは前からある程度あったんだけど、これはペースが甘すぎると思って。
まずはとことんやろうと。
1日1冊はブログにあげようっていうことを始めたのは、2007年の12月からだね。

その時は、時間が出来たとか、
何かの転機があったの?

大きな仕事が終わったタイミングだったんですね。
今までだったら、新しい企画を考えて提案してたりしてたんだけど、
それはちょっとやめて、3ヶ月くらい集中して学ぼう、と思って。
もともと独立した時も、3ヶ月くらいは仕事せずに本いっぱい読もうと思ってたんだけど、僕が独立した時は、ありがたいことに、仕事がやたら来ちゃったんだね。
それで出来なかったんで、いよいよいいタイミングだな、と思って、始めたんだけど。
最初は3ヶ月だけやろうと思ってたのが、1年半ぐらいになっちゃった。

それは、仕事とは無関係にやってるんだよね?

仕事とは無関係に。
関係なしに1年半くらいやると、むしろ、仕事的にはマイナスになってくるんだよね。

1年ちょっと前に、烈に話しを聞いた時、
「今年は仕事じゃなくて、本を読む年にするんだ」と。
仕事については一時的に収入が下がるけれども、
たとえば1000冊までいった時には、一時的に下がったものを上回るだけのリターンがあるだろう、と言っていて、それはすごく僕も同感だったんだけど。
その手ごたえはある?

いま・・今日で950冊ぐらい?

「950旅」くらいまで行ってるね。

見てない人もいると思うんで説明をすると、
僕はブログをやってまして。
一冊一冊を一つの旅だととらえて、記録をつけてきたんですね。

1000冊近くなって、感触はどう?

その当時はね、1000冊読めば、
アウトプットもだいぶ出て、仕事にもバンバン役に立つだろう、っていうのがあったんだけど、あんまり役に立たないですね。結論からいうとね。

「950旅」っていうふうに、通し番号を振るって言うのはやっぱり、モチベーションになる?

あれは結構、いいですね。
やめられなくなるっていうかね。
ブログは今、一日、4~500人くらいの人が見ているんだけれど、
ちょっと更新しないと連絡がくるんですね。

(笑)生きてる?みたいな。

今日は大丈夫?とかね。
そういうプレッシャーが・・
病気でもやめられないっていう。
風邪でもやってましたけどね。仕事は休んでるのに。
クライアントに見られたことがありますね。

いやー、それはまずいだろうね。
「ウチが出したメールは返事来ないのに、なんでブログは更新されてるんだ」ってなったら(笑)。

一時期、「死」について4冊ぐらい連続で書いたことがあって、
それですごい心配されて。
「藤沢さん、ちょっと話しあるんですけど」っていうから、
仕事で何かミスがあったかな、と思ったら、
「何か大変なことがあったの?」って言われたり。

傾向ってあるでしょう。
今の時期は「死」について、次は「生物」について、とか。

ある程度ね。
最近は結構ぐちゃぐちゃかな。
直感型ですね。

インタビューをするように読む

本の読み方っていうのは、速読とはまた違うんでしょ?

まあ、速読にもなると思うんだけど、
フォトリーディングとかは勉強したことないね。
コンサルティング会社にいた時にやっていたことで、たとえば1週間後から製薬業界やります、と。
それまで製薬業界をまったく見たことない、という時に、
本に書いてあるレベルのことは当然、前提として知っていないといけないわけだよね。

うんうん。

でも、それはゼロレベルで。
本に書いてあることをそのまま言ったらコンサルティングじゃないんで、それは当然知ってて、その上でプラスアルファなんで。
当然、業界の関連本っていうのは、20~30冊ぐらいは最低読むわけだよね。
で、下手したら、3日後には、クライアントでそれをトークしないといけないっていう局面に陥るんだよね。
だから、仕事上では、集中して読むっていうことはだいぶやらされていて、
速読っていうか、さっと読んで理解する、っていうのは身についてきた。

それはじゃあ、独学なの?

特に誰かに教わった、っていうのはないかな。

ビジネス書みたいな実用的なものは、速く読むアドバンテージってあると思うけれど、
小説の場合にはまた、読み方は違ってるの?

読み方の説明をすると、僕は、インタビューをするように読む、って考えてるんだけど。
本には、作者がいるわけじゃないですか。
結構死んじゃった人も多いわけだけど。
その、死んだ人と、今話しているみたいな感じで、2時間だけ会える、と考えるんだね。
それで、2時間経ったら消える、と考えていて。
消えるまでに、なんとか、本を通してインタビューする、と。
そんなふうな感じ。
だから、一言一句読むというのとは違うと思うんですけど。

(会場)知りたいことが先にあって、それを抜き出すような感じなんですか?

そうですね。
ある程度、知りたいことがもともとあるっていうのもあるし、
最近やってるのは、僕はちなみに生き方が15分刻みなんですけど。

これは、面白いですよ、
この、「15分刻み」の話しは。

これは、真似しないほうがいいと思うんですけど、
家にストップウォッチがあって、15分経ったら、仕事を切り替えるっていうやり方をしていて。
本も15分刻みにしていて、だいたい15分で、300ページの本でも400ページでも、一通り見るんですよ。
その時間だけでは、読めないんで、見るんですね。

ざっと、眺める感じでね。

目次を見るだけだと内容までわからないんで、
一通り見て、どんなことを言ってるのかな、っていうのを見る感じで。
そうすると、キーワードが出てくるんですよ。
目次を含めて、4~5個、この人はこんなことを言おうとしている、とか、
こんなことを聞けそう、っていうのがあって。
それがあってから、ちょっと本を置いて、
僕はブログを書くんで、自分はここから何を聞きたいかな、っていうのを、インタビュー前に準備をするような感じで、聞きたいことを2~3個メモしておいたりするんですね。
それを胸におきながら、また読むと。
その後は、30分とか、長ければ1時間ぐらい読んで。
それが終わったら、ブログにまとめる、と。
最初にさっと見てネタを考えて、読むつつ、最後にまとめる、っていうだいたいそういうパターンだね。

本を通じて自分を知る

一冊の本を集中して読んで、文章にまとめた後、
次の本に行く、っていう順番でやってるの?

あー、それはね、
二冊並行してて。
なんかね、一冊じゃダメなんですよね。

それ・・わかんない。

あ、わかんない?
どういうことやってるかっていうと、
15分刻みなんで、
15分経ったら、そこでいったん、その本じゃなくて、
また別の本に行くんですよ。

ああ、そう!

まあ、同時に2冊ずつぐらいだけどね。
それで、行ったりきたりする。

その2冊は、何かテーマ的に関連があったりするの?

関連も、なかったりするね。
全然めちゃくちゃに。

それは、飽きちゃうからなのかな?

なんだろうね。
でも、そのほうがね、しっくりくるんだよね。2冊あると。
ちょっと話し逸れるんだけど、
昔、本を読まない時期があったんですよ。
波があって、すごく読む時期と、読まない時期が極端だったんだね。
大学入った頃は、本は読まずに、むしろ、やたら人に会ってた。
その時言ってたのは、本っていうのは、結局、書いてあることは変わらないじゃないですか。3年経っても10年経っても。
でも、人って何年か経つとすごく変わって、
人とつきあったほうが変化が楽しめる、って思っていた時期があって。
そういう意味では本ってあまり面白くないな、と思ってたんだけど。

それと、もう一個思ってたのは、世の中には本ってたくさんあって、
まあ、どんなにがんばって読んでも、一万冊とか読めたらすごいよね、と。
でもそれって、世の中にある本の0.1%とか、0.01%だから、そんなの誤差っていうかね。
千と一万じゃあまり変わらないんじゃないかと思ってたんだよね。

でも、今は、違うな、と。
昔は、本は世界を知るために読むと思ってたんだけど。
自分があって、世界があるとしたら、世界を切り刻んで一個一個読むっていうイメージだったのが、違うなと。
じゃあ何かっていうと、むしろ自分を読むんだと。
本を通じて自分を知っていくんだというふうにとらえて。
本で世界を知るって言うよりは、本を通じて、自分はこういうところで感動するんだ、とかこんなところに興味があるんだ、という発見をする。
本を通じて自分を知るんだな、と思ってから、読書にはとんでもない意味があるな、と思うようになった。それはすごい転換点だね。

わかるわかる。
前に、烈に話しを聞いた時に、
本というのは、著者の人も無意識で書いているところがある、と言っていたのは、すごく面白いと思ったんだけど、
その無意識と、自分の問題意識として抱えていることが、読んでいるうちに重なっていくっていうのは、自分を知ることと一緒なんだと思うな。

そうなんだよね。
二冊の本を交互に読むっていうのも、
Aという本と、Bという本は全然違うもので、
その二冊の内容を理解するとか、世界を知るっていう目的では、同時に読んでも意味ないんだけど、
その違う二冊を読みながら、ああ、この二つからこう感じるんだ、みたいに、
自分を知ろうとする目的から言えば、ありなんだよね。

二冊を理解しようとするだけだったら関係ないし、その本同士はやっぱり繋がりはないと思うんだけど、
この二冊で自分はどう考えるんだっていう意味では、組み合わせが面白い、っていうね。
だから、僕的にはすごく意味がある。

(会場)光を二方向から当てる、っていうような感じなんですかね。

なるほど。その言葉、使わせてもらいます笑。
そうですね。
光が二つあると重なって違う色みたいに見えるとかね。
そんな感じですね。
立体的になるんですよ。

じゃあむしろ、関連しててもいいし、関連してないほうが面白いこともあるわけだ。

関連してなくって、何か起きるとまた面白い。
結び付けようとはあまり考えてないけどね。

書評のまとめ方

書評を書いたり、まとめたりっていうのは、
本を読んだ後にやるの?

読みながらまとめる。

ツラくならない?
まとめるっていう作業って、重要だと思うんだけど、
本によっては、僕は、それを書くことがすごくツラいことがあって。

たしかにね。

でも、必ず書く?

書くんだけど、ツラいね。
・・最近ね、著者から連絡が来るんですよ。

著者から!

ブログにコメントがあったりします。
古典本だと、あんまりみんなブログとかに出さないから、
結構有名な本でも、検索で上のほうに来ちゃったりするんですよ。

あー。
なるほど。
名が知れている本でも、古典て、ブログに感想を書く人はあまりいないよね。

僕は、井筒俊彦さんの本が大好きなんですけど。
当然、僕なんかより深く理解している人がたくさんいる中で、検索結果では上に来ちゃうわけですよ。
それは、怖いよね。

世の中のブログにある書評の数では、
最近の新刊のほうが多いかもね。

新刊はね。
いっぱい書いている人がいるんだけど。
著者が見てるというのは、怖いよね。
だから、批判が出来ない。

なるほどなあ。
そりゃあそうだな。

批判してもいいんでしょうけど。
僕は、つまんない場合は、評価の★を下げるだけにして、
なるべくプラスの内容にして。

ああ、★を。

でも、★1個はないようにしようと思って、
全部2個からになるね。
まあ、2は1だ、ってことになるんだけど。

(笑)2は1だ、と。

まあ、でもね、一応、配慮もしてるんですけどね。
だから、怖いですよ、それは。

読んで、書かないっていうことはあるの?
どうしても、褒めるところが見つからない、っていう。

まあ、書くんですよね。
読んでて、後にしよう、って途中で読まなくなったのはあるけど。
読み通したら、基本的には書いてる。

自分が書評を書く時には、★みたいな数値化はしていなくて。
★をつけるのが怖いなあと思って。
あれは、何のためにやるの?

何のためにっていうのはあまりないかなあ。
いいものに★をつけたいって感じかな。
★5つのものしか読まない読者もいるわけですよ。

ああ、それはすごく参考になるね。
オレも、★5つの本は気になるな。

これは良かった、っていうのはアピールしておきたい。

批判的なことは、もしあったとしても載せないの?

基本スタンスとして、
本の批評をしたいわけじゃなくて、
自分が何を得たか、ということをまとめてるので、
つまんないと思うことももちろんあるんだけど、
そこはそもそも飛ばしちゃってるんで、
あまりそこを取り立てて間違ってるとか、違うと思うってことは、
書く意味はないかなと。

うんうん。
僕も同じように思ってて。
批判てあまり意味ないと思うんだけど、
時々、自分が書いている読書感想を読んでいる人から、
「どうも、あなたの感想は薄っぺらい。
何の本でも褒めてるから、真実味がない」って言われることがあって(笑)。

まあ、誰かに読んでほしい、の前に、
自分が何を得たか、というほうが先なんで。
あんまりみんなの読書のための情報提供じゃないんだよね、まずは。
結果的に、そういうのにもなってるんでしょうけど、
自分のためっていうのがあるんでね。

そうだよね。

そんな感じですね。

自分なりの縛りをつけて読む

最初さ、一日一冊だったじゃない。
それがある時を境に、二冊になって、三冊になったでしょう。
あれは、何かターニングポイントがあったの?

僕は筋トレが好きなんですけど。

(笑)ウェイトが上がっていく感じなんだ?

定量的にウェイトを挙げていくんですよ。

ほんと、自分をいじめる人だよなあ。

やっぱね、一冊から二冊は楽しい。
解像度が上がった感じで。
二冊はいいですよ。みなさんも、ぜひ。
一冊と全然違うんですよ、ここは。
一日二冊吸収すると、スゴく広がりが出る感じがしますね。
ぜひ、チャレンジをしていただきたい、と思いますけどね。

(会場)あの、、二冊で何時間ですか?

あれ・・(質問した人は)どこから?

ここです。

あ、どこから声が聞こえたのかと思った。

ぶはははは!
天からの声っぽかったね。

時間はですね、
新書とかだと1時間で読むし、まとめも書いちゃうんですね。
書くのが、20分か30分くらい。
新書は、30~40分くらいで読む感じですね。
長いのだと、それでも2時間くらいには収めますよね。
だから2冊だと、3時間使ってますね。

どんな本でも、一定のペースで読もうとしているの?

本の深い理解をするためには、そんなんじゃもちろん読めないと思うんだけど、
本と対話するということが、僕にとってのゴールなので、
時間は、そんなにズラさないように、今はしている。
色々実験したんだけどね。
一時期、減らした時もあって、むしろ読みたいものをじっくり読むっていう風にしたときもあったんだけど、それをやっても、結局アウトプットは変わらなかったんでね。
だったら数を多めにしたほうがいいかな、っていうのが今のところ。
むしろ、楽しちゃったんで、楽しちゃダメだな、と。

楽しちゃダメだな、と(笑)!

縛りの中で、どんだけやるか、っていうふうにしたほうが、結果的によかった。

縛りっていうのは、どれだけ読む、とかっていう?

そう。
ただ読むだけになっちゃうと、読めないと思うんだよね。
だから、自分なりに縛りをつける、と。
ブログに書くってのもそうだし、一日3冊っていうのもそうだし、
あとは、仕事上で使うテーマっていうのも、なるべく色々反映させて。
人にもこれ話そう、とか。
そうしながらじゃないと、読めないですね。
だから、そういう出口をちゃんと作る、という。

あれは、毎日常に3冊読むようにしてるのか、
それとも、ある日1冊だったら、次の日は5冊、とかっていうこともあるの?

研修の講師とかもやってるんだけど、
次の日に講師とかだと、一日時間がないんで、1冊しか読めないから、
前日にため読みする、みたいなこともある。

ため読み!?
ということは、3冊以上読むってことか。

最高5冊ぐらいかな。
それ以上は無理だね。
軽めの本が多い時っていうのは、
今大変なんだな、っていうことで。
新書が多いな、みたいな。

あー、そういう時は、新書に走るんだ。

つい楽な、ビジネス書とかに行っちゃったりね。
哲学書とかは本当に大変だからね。
そっち読みたいんだけど、我慢して、それは一冊にとどめて。

(会場)本を選ぶ時は、どういう基準で選んでますか?

キーブック、っていうのがあるんですよね。
自分にとってハマる本、っていうのが、20冊に1冊ぐらい出るわけですよ。
そうしたら、その周辺の本を読む。
参考文献が後ろに載ってるじゃないですか。それをまとめ買いしたり、たまにしますね。
まあ、あとは、よく本を読んでいる仲間も周りにいるので、
その人から紹介してもらって。
僕の場合は、木戸(木戸寛孝)さんという人がいてですね、その人から色々と教えを受けている。

メンターみたいな感じだね。
長編ていうのは読む?
「徳川家康」みたいに、何巻もあるようなやつ。

最近はあまり読んでないんだけど、
それはまあ、一巻で一冊、っていうことにすれば。
そろそろ、「ローマ人の物語」に手をつけようと思って。

塩野七生の。
あれも、長いね。

何冊ぐらいあるんだっけ?

文庫版だと、30冊ちょっとあると思うよ。

あれを、10日で読むっていう。

(笑)マラソンだね!
リーディングマラソンだよ。

それが登場したら、
あー、いよいよ始まったんだな、って思ってください。

その、短期集中企画は面白いね。
10夜連続、とかNHKスペシャルみたいで。

続きじゃないとね。
分断されちゃうとわけわかんなくなるから。

読み始めちゃうと、そうだろうね。

だから、2~3冊っていうのはあるんだけど、
10冊みたいのは、まだやったことない。
そろそろ、やりましょう。

15分刻みの行動

(会場)さっき、15分刻みで行動するっていう話しで、
2冊の本を、最初15分でスクリーニングするっていうのはわかるんですけど、
読む時も、15分刻みで切り替えますか?


切り替えてますね、今は。

それはね、すごく興味ある話しだと思うんだよ。
どんなやり方なのか、ちょっと聞いてみたいな。

まあ、そうなっちゃってるんですけどね。

その、「15分」っていうのは、何か、科学的な根拠があるの?

体感的な根拠はあって。
色々10分にしてみたり、20分にしてみたりは過去やってきてるんだけど。
過去、何年かやってきてるんだよね。

本を読んでいる時も15分だし、
他のあらゆることを、15分というユニットで考えているんだよね?

僕は、毎日食事作っているんですけど、
野菜をたくさん煮込んで鍋を作ってるんです。
それを4食分くらい作って、食べてるわけですけど。
それをもう5年間くらい続けてるんだよね。

えぇ!?

だから、5年間、毎日必ず、一食か二食は、それを食べてる。
だから僕の身体は、たぶん99%野菜で出来てる。

大丈夫なの?
栄養学的に!

いや、大丈夫でしょう。医学的な根拠はないんだけど。
で、何の話しかっていうと、
野菜を切って刻んで、放り込むまでが15分なんですよね。
で、15分煮込んで、その間本読んでるんです。

で、出来上がったら、15分で食べる、と。

ちなみに食べてる時は、その時だけテレビを見てるんですけど、
録りためたものを1.3倍速で見てる、と。
映画なんかも、たまに、哀しいものを観たくなるじゃないですか。
それも、1.3倍速で見て、15分経ったら切っちゃう。

切っちゃう!

(会場)また、他のことをした後に、続きを観るんですか?

続きは、次の食事タイムの時に、また。

(会場)すごく盛り上がってるところでも、15分経ったらパタッと切っちゃうんですか?

そうですね。
タイマーが鳴りますんで。

もう、そのタイマーが最優先なんだ?

僕と電話してると、たまにタイマーが鳴ると思うんですよ。

(笑)そしたら電話、切るの!?

そんなことはないんだけどね(笑)。
そうなったら人間終わりだな、と思うから、
そうなんないようにしようとは思うけど。

(会場)15分っていう尺が余ったら、どうするんですか?
料理とかで、15分かからなかったような時は。


まあ、料理は、僕、5年間同じことをやってますから。
ぴったりと15分で。

野菜が普段より少なめの時には、
ちょっとゆっくり切ったりしてるってこと?

いや、そこは計算して同じものを買ってるので。
まあ確かに、キャベツとかは、
ものによって大きさ違うんだけどね。

そりゃそうだよ!
工業製品じゃないんだから(笑)。

(会場)時計がなかったら生きていけないですか?
時計をなくすか、時計が狂ったりすると、崩壊したり・・


あー、たぶん、崩壊する可能性はありますね。
なってみないと分からないけれど。

自分でもわかるの?
15分っていう感覚は。

まあ、なんとなくね。
僕は昼寝を二回してるんですけど。

イタリア人より昼寝してるね。

それは10分間だけ、タイマーをかけて寝るんだけど、
結構、タイマーが鳴る直前に自然に目が覚める。

それは、布団の上で、本当に寝るの?

そのために僕は、引っ越しましたからね。

ああ、、職場と、住むところが同じになるように。

ちょっと・・だんだん、会場がひいてきたので(笑)

そうだね、
今日は、読書の話しなんで、そろそろ本題に戻りましょう。

残るのは、数字ではなく言葉

(会場)自分を知るっていうことを主題に、読書しているっていうことですけど、
仕事に関する書籍や情報は、どうしているんですか?


僕は、仕事のためじゃなく、本を読みたいんですよね。
全然答えになってないですよね(笑)
どっちかっていうと、仕事に役立たないほうがいいと。
マッキンゼーにいた頃の読書は、仕事のためだったんですけど、今は180度違って。
仕事に取り組んでいる自分を否定したい。
仕事していると、仕事は上手くなるんだけれど、
その仕事を超えることは出来ないと思うんですよ。

マッキンゼーいた時もそうで、マッキンゼーにいた自分は、仕事を辞めるまで越えられなかったですね。
いる間は、インセンティブとして、そこでコンサルタントとして仕事としてやるということになっているので、その枠は超えられないです。
それは他の仕事でも全部そうで、たとえば研修の講師をやってても、枠組みはあるわけですよ。
だけど、そういう自分を超越できないんです。
僕が本を読むのは、今の自分を壊すために読むっていう。
仕事のためにはむしろ読まないっていう。

(会場)じゃあ、ビジネス書とかは基本的には読まないんですか?

いや、結構読んでますけどね(笑)
それはまあ、帳尻あわせというところがあって。
だから、二通りあるんですね。
ビジネス書は、そうは言っても、弱いんで、安心したくなる。
でも、そこから得ることはあまりないと思うんです。
みなさんにとっても、そうですよ、きっと。
仕事で既に出来てて、確認するためにやるんです。
それはそれで意味無くはないんですけど、自分にとって影響が大きい読書って、もっと怖いもので、今やってる仕事が無意味に見えちゃう。
そういうことがあるわけですよ。
そういう読書のほうが、僕はいいかなあと。

最近さ、烈を見ていても思うんだけれど、
コンサルティングに代表されるような、効率的な目的達成志向というのとは逆の、
ロジックではない部分を重視するような、時代の流れになってきているような気がしない?

時代の流れというのもあるし、
コンサルの中でも、本当に一流の人というのは、そこもちゃんとわかっていて。
よく言うんだけど、算数が出来るというのは、コンサルタントとして最低限の必要な能力で、本当の一流になっていくと、どんどん国語的になっていく。
キーワードを言葉で人が動いていくということをやっていかないといけない。
数字は、その場で説明は出来るんだけど、残らないんだよね。
で、結局残っていくのは言葉なんですよね。

本当の一流のコンサルタントというのは、その言葉をちゃんと作れるんだよね。
で、それは論理だけじゃだめで、ある種のひらめきだったりとか、右脳的な部分が必要になるんだと思う。
それは、マッキンゼーの中でもよく言われるんですよ。
算数が出来るのは当たり前で、そこから突き抜けた一流になるには、そこは越えないといけないと。
そういう意味では、ビジネス本を入社1、2年目は読むかも知れないけど、上になればなるほど、哲学観や宇宙の起源の話をしている。
違った世界観で勝負しているんだね。

本の整理の仕方

本を読む順番てのは、自分の中でどういう優先順位をつけて読んでいるの?

今日、リストを持ってきたんですよ。
字が細かいんだけど。

これは、虫眼鏡で見ないとだな・・

要は、データベースにしてるんです。
これが、読んだ本だね。
ここからは、買ったけれど、読んでない本。

それがこんなにあるんだ(笑)

600冊くらいは、買ったけど、読んでない。
で、あとは、未入手のリスト、っていうのもあって。
買った本は、全部本棚に入れてるわけですよ。
その中に、読んでない本コーナーがあって、
そこを見て、「どれを読もう」っていう。
それが、一日で一番嬉しい瞬間。

その日に、決めるんだ?

一応、次のバッターみたいのはだいたい考えてあるんだけど。

ネクストバッターズボックスで準備してるやつがいるんだね。

そういうのが、だいたい10冊ぐらいあるかな。

僕の場合は、なるべく買ったその日に読んでしまいたいって思うな。
買った瞬間が、一番読みたい気持ちが強いからさ。
あと、烈と考え方が違うのは、本の整理の仕方だよね。
そこはすごく興味あるんだけど、捨てないんだよね?

捨てないね。
今のところ、全部取ってある。
どこまでいくかわからないけれど。

それは・・本が増えていくごとに、広い部屋に引っ越していくのかね。

そのために稼ぐ、みたいな。

本のスペースだけで、すごい家賃になると思うよ!

だんだん田舎に行かないとかもしれないね。
本の並べ方を、最近、変えたんだよね。
分野別じゃなくて。
どう並べたと思いますか?

(会場)読んだ順?

その通りなんです!

読んだ順なの?
それ、面白いね。

これは、すっごい面白い。
意外と、この本どこで読んだ、とか覚えてるんですよ。
そうすると、本棚が、自分のある種の日記になるんだよね。
自分の精神的な流れも分かるし。

ああ、それは合理的だと思うな。
自動的に、クロニクルが出来ていく。
野口悠紀雄さんの「超」整理法みたいだね。

それに近い。
これは面白いですね。

じゃあ、引っ越しても、
その順番は常にキープするわけだ。

そのまま移動できる。

引越し屋にまかせられないね。

だからね、ナンバリングしてるんだよ。
僕は、本をあまり痛めつけたくないから、
こうやって、ちゃんとスコッチテープではがれるようにしてあるわけですよ。
あれ・・はがれない。

(会場)(笑)

その、捨てないこだわりっていうのは何なの?
やっぱり、持ってたいの?

背表紙があるだけで、なんか、いいんだよね。

その気持ちはわかるんだけどね。

(会場)前読んだ本をもう一回読み返すことってあります?

まあ・・ほとんどないですけどね。

(会場)じゃあ、何のためにあるのかっていう・・

もう、カーコレクターと一緒で、
あることが楽しいっていうことなんだろうね。

あー、でも、最近、人に貸したりするんだよね。

「貸す」は、ありなの?
でも、返ってこないこともあるでしょう。

番号が入ってるから大丈夫。

(笑)取り立てに行くの!?

○○番ある?みたいなね。

そっか。
途中で番号が抜けてたら気になるだろうね。

あとね、番号順に並べると、検索がしやすい。
前は、どこにあるかわからなくなってたんだけど、
最近は、あの時期に読んだな、っていうので感覚でもわかるし、
自分のブログを検索すると、あ、835番だ、とか。

なるほど。

あとは、まだ読んでない本にも番号をつけて、
買った順に並べよう、とかいうことも考えてるんですけど、
これは、たぶん面倒くさいですよ。
やろうとしたら2日かかりますね。

(会場)バイトを雇ったほうがいいんじゃないですか?

まあ、そうなんですけど、
これは任せられないですね。
唯一の趣味ですから(笑)。

僕はまったく逆の考えで、
読み終わった本は、手元に残さないんですよ。
ブックオフに売るか、人にあげるか。

僕にくださいよ。

ああ、そうか(笑)。
うん、おススメの本があった時には、あげるようにします。

これからの目標

(会場)1,000冊近くやってみて、今後どうする、って考えてることはあるんですか?

何冊まで読むか、っていうのは、1,000冊を目標にして、
そこで止めようと思ってたんですよ。

ん?
そこで止めるつもりだったの?

うん、まあそのぐらいでいいかな、と思ってたんだけど。
最初の200冊ぐらいの時は。
でも、読みたい本がもう既に600冊ぐらいあるんだよね。
だから、そこで破綻してるってこともあるし、
もうちょっと目標を変えてもいいな、と。
今日ちょうど、イチローが、日本最多になる3086安打を打ちましたけど、
イチローが引退するまでにイチローの安打数に追いつく、というのにしようかと。
これね、言えないと思ってたんだけど。

言うとやばい、と。

イチロー、たまに一日5本ぐらい打ったりするから。
でも、こっちは365日試合があるわけですから。
一応、3年以内には追いつく予定なんですけどね。
あー・・・言っちゃった。

言っちゃったなーー!
しかも、みんながいる前で言っちゃったね。

これは、出来ないと恥ずかしいね。
だから言わないようにしてたんだけど。

目標1000冊のところが、いきなり4000冊になっちゃったね。

なんで読んでるのか、っていうところに戻るんですけど。
「政治家の本棚」っていう本があって。
けっこう有名な政治家が、若い頃から何を読んでいたか、っていうのをインタビューした本なんだけど。
それを読んで思ったのは、全員、それを読んだタイミングっていうのが20代までで、30代以降には、本はどうも読んでないんだよね。

そうなんだ?

忙しいっていうのもあるし、読む時間がほとんどない。
だけど、20代、30代で読んだ本の影響はすごく濃いんだよね。
その時何を読んだかで、政治信条とかも作られていたり。
だから、今、読めるうちはすごく読んだほうがいいな、と。
で、それでいつか、自分がさすがに本読んでる場合じゃなくて、色々仕事しなくちゃいけないようになった時には、それが絶対役に立つだろうと思って。

もうちょっと言うと、
僕は自分の人生というよりも、周りの同年代の人たちを含めて考えたいので、
彼らが本を読めない間は、自分が思いっきり読んで、
彼らも色んな現場で働いているんで、それに対して、精神的な供給をしたい、っていうのはある。
なので、今読むことはすごくいい。

もう一個は、ちょっとあやしい話しになるんですけど、
どうも、臨死体験をした人の本とかを読んでいて。
死んだ後に、物は全然残らないんだけど、知識だけは残るらしい。
だから、それなりに知識を積んでいくと死んだ後にも持っていけるかもしれないと。

今から、死後の生活のことまで考えてるの!?

(会場から)長期的視野ですね。

超長期的視野ですよ。

まあ、それは半分冗談で。
半分は本気なんですけど。

といったところで、そろそろ時間になってきてしまったので、、
この後も、お店は23時まで営業しているので、引き続き交流会としますが、
公開インタビューはここでいったん、締めさせていただきます。
今日はありがとうございました。
それでは、藤沢さんに拍手を。

(会場)(拍手)

(2009年4月 赤坂「ポートカフェ」にて)



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