貴田真由美

岐阜県出身。自然の中でゆるやかに育つ。大学進学とともに上京。行きの新幹線ですでにホームシックになりつつ、泣きながら暮らし、やがて慣れる。東京人はみんな疲れてるぞ!と思い、現在は女性の癒しなどを中心とした広告代理店に勤める。本来持っているもともとの力が発揮されるような広告を目指して奮闘中。だがしかし、常に(仮)の状態なので明日どうなるかはわからない。

ブログ→http://blog.livedoor.jp/mayumi117/

■興味があること
流されるから遠くに行けるという生き方・擬音語・アドリブ・瞬発力・明日住む場所・脳の能力・東京の役割と地方の役割について・外国に行くということ・場所の影響・日本の役割・直して使うという方法・手作り・体の使い方について。全部繋がってるから関係性が面白い(古武術、整体など)・素材が活きる料理。結局うまさはテクスチャーだ!と思う・栄養以外にも食べ物の力はあるという発見・本(装丁含む)・詩・絵やイラスト、印象、雰囲気、無意識について・ディレクション・物が活きるデザイン・広告・建築・空間の気持ち良さ・無意識のテリトリー・歴史・経済

育った環境の影響

(清水宣晶:) 今日はもう、カフェだけで三軒、キダとハシゴしてるけれど。

(貴田真由美:) 同じビルの中でカフェをハシゴするって、新しいね。
(この日は、宇田川町にある1F~7Fまで全部がカフェのビルで話した)

キダって、前、カフェめぐりやってたことなかった?

今もやってるよ。
でも最近、一人でいる時間が減ったから、なかなか難しい。

ん?
カフェって、一人でめぐるの?

一人で行っておいて、
後で、「ここいいでしょ?」って言うのがいいの。

下見するんだ?

私、結構ぐるぐる寄り道したりするから、あまり歩かせるのも悪いし。
あと、やっぱり、いい店を紹介して「すごいねー」って言われる快感。

ああ、それはわかるな。

デートの時とかでも、あらかじめ下見に行っとかないとコワいもんね。

そうなの?
それ、普通は男のポジションじゃないか?

ほんとうは、女の子だから、
そういうの教えてもらうのがいいんだけど。
周りにいる友達が、みんな、誰かにまかせるタイプの人たちだから、
自然にそうなっちゃう。

そうなんだよな。
キダって、普段は最年少だから妹っぽいキャラだけど、
同年代の子たちといる時って、あなたがみんなを引っ張ってる方なんだよね。

あと、調べると、それが楽しかったりする。
せっかく店に行くのに、しょうもない時間を過ごすのはイヤじゃない?

ああ、行ってみて、
「なんじゃコリャ」ってなるのは、ちょっと寂しいね。

私、周りから物知りな人って勘違いされることあるんだけど、
いや、私は調べてるだけだ、と。

(笑)やれば誰でも出来るんだ、と。
そういうさ、面倒見のいいところもそうなんだけど、
キダはやっぱり、育った家の影響がでかい気がするんだよ。

でかすぎる。
家族で、すべての価値観が出来あがってると思う。

すごく仲いいんだよね?

そう。
お父さんがお母さんのお尻さわってセクハラするんだけど、
そうすると「もぅー、やめてよプリプリ」ってお尻振ったりする。
(キダ注:両親にバレたら怒られるので
このエピソードがwebに出ていることは内緒にしてください(笑))


ぶはははは!
雰囲気伝わってくるなあ。
大学出た時は、地元に戻ろうって思わなかったの?

東京の魅力っていうのも、やっぱりあったからね。
自分が、ハーフになった感覚になるの。

ああ、東京人と岐阜人との?

そう、文化が全然違うんだけど、
どっちもいい。
田舎のほうが過干渉だね。

向こうから構ってくる感じ?

一回味方になったら、
一生味方してくる。

その感じ、わかるよ。
「味方になってくれる」んじゃなくて。
「味方してくる」んだよな。

あと、年齢層が広い知り合いが出来る。
人少ないから、近所歩いてると全員知り合いだし。
(キダ注:今は全員知り合いということはないなぁ。
ちょっとずつ都会になってきた。)


ああ、そういう環境もキダに影響してる気がするな。
あんまり大きい街じゃないんだ?

いや、「街」じゃないの、「郡」なの。

「郡」なのか!
どういう風景なんだろうな。

昔はほんと家建ってなかったから、
人の姿が見えて「あー」って手振ってから、
会うまでめっちゃ時間かかった。
(キダ注:これも昔の話。今はいっぱいお家が建ったのでできない!)

(笑)すごい新鮮だよ、それ!

ライトな雰囲気の大事さ

わたし、意外とあんまりあっきーと
ちゃんと話したことないかもね。

そう、サシで話したことは
あんまりなかったと思うんだよ。

で、みんなと一緒にいる時はアホなことばっかりやってるから、
そんなに話してないね。

そうそう。
大人数でいると絶対ちゃんと話せないからさ。
話す時は、やっぱりサシがいいって思うな。

私は、両方好きだけど。
私、ちゃんと話さないことも結構好きなんだよ。

え!?
ほうほうほうほう。
それいい、それいい。

なになに?
なにが?

興味深いよ。
なんで好きなの、それ?

小説とかでもそうなんだけど。
核心に迫るようなことばっかり言われると疲れるじゃない。
重要なことを真面目に語る時間も重要なんだけど、
そんなんとか何も要らない、アホなことばっかりする時間も私には必要なの。
ほんとに意味がない、ライトな軽やかなことをやる、ってことが必要なんだよね。

なるほどな。
それ、面白いな!

ちゃんと話すのって、サシで会った時や、
相談したいことがある時にすればいいんだけど、
逆に、軽くするのって難しいと思うよ。
気が通じ合った仲じゃないと、ライトな雰囲気にはなかなか出来ない。
油断するとすぐ、ちゃんとした話しになっちゃうから。

あー、むしろ。
それを引き止めて、ライトなほうに持っていくのか。

そう、そういう空間が私には大事。
ああいうのってさ、ちゃんとしたこと話してるわけじゃないのに、
なぜか元気になったりすることあるじゃない。

うんうん。

何か自分の中で引っかかってることがあって、解決したい時って、
それについて話し込んだりしなくても、雰囲気に助けられたりすることがあるから。
そういう、直接的じゃない良さっていうのもある。

ああ、自分がツラい時って、
単純なものとか、深く考えなくて済むもののほうが
楽ってことはあるだろうな。

そう。
たとえば、入院してる時に
やたらとアンパンマンが見たくなるとか。

ぶははははは!
あんまり考えなくていいものね。

水戸黄門とか。
必ずここで印籠が出て終わる、っていう、
ああいう、わかりきった内容とかのほうが安心感がある。

うんうん。

家族もそうだと思うんだけど、
お父さんとかお母さんと語るとかって、特別な事件がない限りはすることなくて。
朝は「おはよう」って言って、くだらない話しをして、学校に行って、帰ってきてまたちょっと「クラスの○○さんがさー」ってしゃべったりして寝る、っていう何気ない会話が、自分の中ではいい。

いいこと言うなあ。
大人になった後って、意味とか密度とかいちいち考えるけどさ、
子供の時は、そんなこと考えずに、
どうでもいい時間をひたすら、家族や友達と過ごしてたよね。
その積み重ねの大事さってのも、たしかにあると思う。

瞬間的な強さもいいんだけど、
フッとした時に思い出すのって、日常的なことのほうが多い。
ごはん(米)かステーキか、って話しだよ。

わかるわかる。

ギュッって凝縮してないから、積み重なったものがジワジワきてるっていう。
芸術もそうだけど、岡本太郎みたいに瞬間的にくるものもあるんだけど、なんとなく雰囲気がジワジワくるっていう良さもあるんだと思う。両方いいね。
だから、どっちかを捨てるっていうのは、私はない。

流れに沿って動く

あっきーは、大人数で集まって遊ぶの好きそうなのに、
やっぱりサシのほうが好きなの?

どっちも好きなんだけど、
大人数でいる時は、一人一人とちゃんと会話が出来るとは思っていないから、
それはまあ、そういう時間だって割り切ってる感じがするな。
大人数でいる時に言ってることって、あんまり本当って感じがしないんだよ。

みんなで集まってる時って、何かの生き物がいる気がする。
流れがあるじゃん。
こういう風に持っていかなくちゃって。

そうそう、そうなんだよ。
それをやっぱり気にしちゃうから、それに従ったふるまいをしなくちゃいけない気持ちになっちゃうんだな。

それが楽しいとは思わないの?

あー、瞬間的な楽しさはあるんだけど、
でもどこか、自分が自分じゃないような、居心地の悪さはある。

私、結構ポジショニングっていうのを大事にしてて。

そうだよね、あなた。

どれでもいいんだけど、
集団で足りない役になるのが好きで。
それでうまく場がぐるぐる回ってるのが気持ちいい。

なるほどなあ。

なおかつ、自分がおいしいポジションだったら、なおいいけど。

(笑)なるほどなあ!

だから、どこのグループにいるかによって、
キャラが違うよね。

その場で求められてる役割を引き受けるのか。
そうするとさ、素の自分がどれかっていうのが、
わからなくなったりはしないの?

まあ、どれも自分なのは確かなんだけど、
明るいとか社交的とかって言葉で、ひと言でくくれる感じではないね。
コミュニティーによってまちまちだと思う。

でも、何か共通点みたいのはある?

人といる時に気持ちいい流れみたいのがあって、
それに沿ってるね、常に。
だから、私が居心地いいと感じる空間が、私の素というか、、
そこには何か共通の空気があるんだろうね。

それはわかるな。
キダが、自分で幹事をやってる時とかはやっぱり、
そういう色が出るんだろうな。

飲み会をやる時のメンツのチョイスとか、
団体でいる時の空気の作り方とかに、
私らしさが出ている気はする。

初めての人ばかりっていう
環境に入っていくのも、あんまり抵抗ない?

ないね。
初めての人ばっかりいる時は、
何してもオッケーだから、適当なこと出来るし。

ああ、そうか、
そういう気楽さもあるのか。

逆に、昔からの幼なじみの友達がいたりすると、
「そんなキャラじゃないのに何やってるの?」みたいになるから難しい。

わかるわかる。
そうなるだろうな。

だから、結婚式とかに人を呼ぶこと考えるとコワいの。
色んなキャラがごちゃごちゃになっちゃってるから、
もう自分の中で統括出来ない。

統括出来ない!(笑)
じゃあ、コミュニティのブレンドってのはしないの?

するんだけど、いっぺんに混ぜたりはしない。
やるんだったら、一人だけ連れて行って、
その連れてった先のグループに少しずつ馴染ませるようにするね。

それ、才能だなあ。
しっかり、場の空気を考えてるんだな。
それは、いい意味で、あんまり自己主張ないから出来ることだと思うんだよ。

ないね。
自分はこれ、っていうのがない。
あと私、基本的に目標っていうのがないの。

その柔軟さ、いいねえ。
それ、間違いなくキダの長所だよ。

目標を立てるっていうことは、
自分の中であまりしっくりきていなくて、
それよりは「テーマ」を立てるって感じ。

テーマってのは、
いつまでにどうする、ってことじゃなくて、
「今」なにをやるかっていうこと?

そうそう!
「家族」とか「経済」とか「合気道」とか、
その時に気になったものをやるんだけど、
アプローチの仕方はがっちり固めないで、
ただ、深く掘るぞ!ということだけ決める。

ああ、そうか。
目標はないと言っても、何もしないわけじゃなくて、
その場で興味があることに進んでいくんだな。

うん、だから、
常になにかしらは勝手にやってる状態。
たとえば、私、
「水曜どうでしょう」見てすごく思うんだけどね。

おお!
また、たとえがスゴいな・・。

社長は、「ここ行く」って決めたらわき目もふらずそこに突き進むけど、
でも、大泉洋は、何も考えなくて、ただ社長に付いていって面白いことあったら、寄り道していっちゃうでしょ。

うんうん。
ミスターと大泉洋のキャラの違いってあるね。

ミスターだけだったら、あっという間に目的地に着いちゃってつまんないし、
大泉洋だけでも、余計なことしかしないから全然先に進まない。
その、お互いの調和がいいんだよね。

たしかに。
どっちかだけじゃ、足りない気がするよ。

それで言うと、私、大泉洋なんだよね。
どこでも良くて、どこでも楽しめて、
行ったら行ったで、そこで何か展開するわ、みたいな考えだから。

人生楽しんでる人だなあ、あなたは。

結局、死んだ時に「なんだった?」みたいになるかも知れないけど、
そこそこ楽しかったんじゃない、って思うんじゃないかと思う。

あー、やっぱり、
キダはその、ゆるい感じが一番しっくりきてるんだよ。

ゆるいんだね。
「私が生きている意味」みたいなのを追い求める人には惹かれるし、あこがれるんだけど、私には出来ない、って思う。
一つのことを極めようとしても、飽きちゃって、すぐ他のことやりたくなっちゃうんだよね。

それは、人によって向き不向きがあるからな。

でも、興味あることがいっぱいあると、
ここでやったことがここで活かせる、っていうのを組み合わせられる面白さがある。
やり方が、ダジャレの作り方と一緒なの。
たとえば「布団がふっとんだ」みたいな。

だから!(笑)
なんなんだ、そのたとえは。

たとえはまあ、どうかと思うんだけど、
「布団」だけでも「ふっとんだ」だけでも別に何でもないところが、
つなげることによって面白さが出てくるっていうところに、魅力を感じるんだよね。
(2009年2月 渋谷「attic room」にて)


【和田清華さんからの紹介】
和田清華肩までのストレートのキノコ頭の髪が
貴田ちゃんという人をそのまま映し出しているように思う。
さっぱりしていて、まっすぐで、お茶目。
喜び方とか笑い方とか、無垢な少女の面がありつつも、
誰かの悲しみにはそっとよりそうやさしい人。

少し前、私の家に友達が集まったとき、
1人だけ輪に入れない内気な人がいた。
10人くらいで会話が進んでいるにも関わらず
1人蚊帳の外で携帯ゲームをしているその人は
本当は会話に入りたいのだけれども入れないので
すねていたのだ。
周りの人は面倒くさいので避けていた。

しかし貴田ちゃんはその人に話しかけ、
なんと朝まで一緒にお酒を飲み、
その人の話に付き合って聞いてくれた。

次の日、「貴田ちゃん、フォローありがとね」というと
「え、ただ私はああいう人も面白いなって思って」と
純なまなざしで答えてくれた。

まじかよ。この人すごいなと思った。
面倒くさい人に切り込んでいく天才的な資質もあるようだ。

思い返せば20代後半の輩の中に、
1人大学生として混じっていたときも
先輩の個性豊かな面子に圧倒されるどころか
ひょうひょうと貴田ちゃんは貴田ちゃんのままだったなぁ。

そういえば名前の貴田真由美も、
完全左右対称でパッキッとしているではないか。

髪といい、名前といい、あとくされのないまっすぐさは
私が今までに会った人たちの中でピカイチだ。

清水宣晶からの紹介】
初めて会った時、キダはまだ学生だった。その時の印象が残っていることや、年が少し離れていることもあって、つい妹分のような感じで見てしまうけれど、実際にはかなり面倒見のいい、長女キャラとしてのしっかりした面を持っている。

キダは、ものすごく素直だ。何を考えていて、どう感じているかということをストレートに伝えてくれる。思ったことをそのまま言うから、時々とんでもない球を投げてくることもあるけれど、そういう率直さも含めて、キダがそこにいるだけで、場がとても和やかになるというのがよくわかる。

キダは自分の意見をはっきり持っているし、話しが面白いので、その内容に笑ったり驚いたりしながら、今まで気づかなかったことに気づかされることが多い。それでいて、人の話しにも関心を持って、耳を傾ける。贈り物のセンスが素晴らしいのは、キダがとてもよく周りの人のことを見ていることのあらわれなのだと思う。

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