小野寺洋毅


6月16日生まれのAB型
埼玉県出身

やらなかった後悔より、やった後悔

(小野寺洋毅:) じゃあ、おつかれ。(乾杯)

(清水宣晶:) おつかれさん。


俺ね、実は「北海道」でバイトしてたことあるんだよ。
(この日は、品川の居酒屋「北海道」で話した)

あ、そうだったの!?
ここの店?

いや、西新宿なんだけど、学生時代に。
仕事でも北海道に行く機会はすごく多くて。

そうなのか。

だから、言うたら、とりあえず北海道は好きだよね。
これ、何?

かに雑炊。

もう、かに雑炊!?
いきなりシメ?


それ、よく言われるんだけど、オレは酒飲まないから、まず先に米を食べるんだよね。

あ、そうかそうか。

今日ヒロキに聞きたいメインテーマはさ。

あれだよね?

びっくりしたよ、会社辞めて、京都でコーイチ(吉村紘一)と仕事するって聞いて。

うん。
実際行くのは、半年後の、10月くらいからになると思うんだけど。
(※この話しを聞いているのは2014年4月)

決めた時ってのは、あの時かな?
facebookで、なんか思わせぶりな焼きとんの写真アップした時があったじゃん。


(笑)そうそう、思わせぶりな焼きとんの時。
紘一から(2014年の)年明けに電話がかかってきて。
まあ、なんか、マジなオファーだったから。

何の話し、とは告げられずに、ただ「話しがあるんだよ」と?

いや、あのね、最初、「あんた今、いくらでやってるの?」ってきたんだよね。

ぶははははは!
いきなり、リアルな話しから。

おお!と。
胸元にハイボール飛んで来て、おお!となって。


(笑)飛び込んできたね。

まあ、前から冗談混じりで、「いつ来るの?」とは言われてたんだよ。
で、俺も冗談混じりに、「まあ、そのうちね」と。

ふーん。

で、年明けにそんな話しがあって、あ、なんかもう雰囲気的にこれガチだなと思ったから、電話でする話しじゃないよね、と。
真剣な話しだったら、東京来た時に一度話ししようよ、って言って。

ああ、そうなんだ。

「じゃ、わかった行く」って紘一が言って、東京に来たのが、焼きとんの日。
なんかさ、「店、焼きとんにした」って言われて、思ったよね。
ああ・・焼きとんか・・と。

ん?
というと?

俺、大衆的な店も結構好きだからまあいいんだけど、なんか、だいぶカジュアルな感じできたな、と思って。
形にとらわれるわけじゃないけど、あ、焼きとん的な場なんだな今日は、と思ったわけ。

(笑)そうか。
まあたしかに、プロポーズとかする時も、シチュエーションや雰囲気考えるだろうしな。


そう、それと一緒で、今日は焼きとん的な話しなんだな、と思ったわけ。
で、渋谷に行ったんだけど。
俺、あいつのこと昔から知ってるから、彼は結構店とかもこだわりがあるし、ヘタな店は選ばないはずなんだよ。
だから、「焼きとんかー」感8割の、「でも、待て、いやいやただの焼きとんじゃない」っていう感2割で待ち合わせに行ったんだけど。

おうおう。

そしたらとってもいいお店で。
「大地」っていう店なんだけど、まず、場所がね、渋谷の古いビルで、看板も出ていない、なかなかシャレオツな店でさ、美味しいわけ。
やっぱりな、と。

焼きとんつっても、ガード下とかじゃなくて、ちゃんとした店なわけだね。

そこで、盛り上がって。
最初、俺の中では、アンサーをするつもりはなかったの。
話しをちゃんと聞いて、なんか、自分の方向性は言うまでも、その日に返事をするのはやめようと思ってたんだけど。
焼酎で、「ちょうファラオ」っていうのがあってさ。

「ちょう」って、「スーパー」の「超」?

そう、スーパーの、「超ファラオ」。

(笑)そんな焼酎、聞いたことねえよ!


そんな焼酎があって。
芋のくっさいやつなんだけど、これうまいうまい、って。
「超ファラオおかわり、超ファラオおかわり」ってやってるうちに、俺もすごい気分よくなっちゃって。
「俺、行くよ!」みたいな。

マジか!

「あ、俺、今、行くって言ってるな」と、冷静な自分が見守りつつ、まあ、そこは基本的に二言はないからさ。

スゴいなあ。
きっと、その焼きとんも紘一の綿密な戦略だったんだな。
ここで超ファラオを呑ませれば陥ちる、と踏んだ上で、ネゴシエーションに臨んだわけだ。

わはははは!
そうだな。

やっぱりさ、割烹料亭みたいなところで、対面に座ってカタい雰囲気で話ししてたら、そりゃ、返事は保留になるよ。

ミナ(大槻美菜)は、俺と会う前の日に、紘一と会ってたらしいんだけど。
ミナでさえも、俺が仕事を辞めるっていう返事をするとは思わなかった、って言ってたからね。

まあ、そうだよなあ。
俺は結論から先に聞いてたから、あまり考えなかったけど、途中の段階で聞いてたら、さすがにヒロキも行かないんじゃないかと思ったかもな。

そう、年齢とか、今のキャリアのこととか考えたら、一般的には行かない可能性のほうが高いと思うんだよね。
なんかね、最後の最後に決め手となったのは、「やらなかった後悔より、やった後悔」っていうことだったんだよ。


なるほどね。

後になって「あんとき、紘一のオファーを受けとけばよかったな」って頭によぎることを想像したら、それはイヤだったんだよね。

そうか。
オレ、ヒロキがそう考えるのはわかるところがあって。
前にヒロキに話しを聞いた時、印象に残ってる言葉で、「人生、年をとるにつれて丸くなっちゃダメだ」って言ってたんだよ。

(笑)マジ?
俺、そんなこと言ってたんだっけ?

そう、「どんどんエキセントリックに攻めるべきなんだ」と。
根本はそういう価値観なんだな、と思ってたから。

なるほど、そんなこと言ってたんだ。
あぶねえ、あぶねえ。
よかった、そこ辻褄合ってて。

うん、言動一致してたよ。


そういうことなのかもしれないね。
なんか、勢いで「行く」って言いはしたけど、でも、不思議と、恐れだとか、この選択で大丈夫だったのかな、みたいな迷いって、今は無いんだよね。

あ、そう!

だから、今、この選択に対して自信を持ってる。

(※この後、2015年1月に、京都に移住後の話しを聞きました)
(2014年4月 品川「北海道」にて)


清水宣晶からの紹介】
洋毅と話していると、学生時代に友達と話していた時のようなノリを思い出す。どうでもいいような些細なことでも、勝手に話しが広がって、爆笑が生まれるような、絶妙な言葉を返してきてくれる。
何か特別なことをしなくとも、ただ一緒にいるだけで楽しいという、子供に戻ったような感覚でつきあえる相手なのだ。

洋毅に話しを聞いていると、自分が聞く側だったはずが、いつの間にか、自分が話しをする側に入れ替わっているということがよくあり、それに気づく度に、彼の聞き方の上手さに驚かされることになる。

ここまでぴったり、一緒にいる相手の波長にチューニングを合わせられるというのは、相手を気遣うということにおいて、一種の芸術だ。
それを可能にしているのは、彼の中に豊富に埋蔵されている、思考の蓄積と、強い好奇心と、そして子供心なのだと思う。

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