貫名洋次

広島県広島市出身
慶應義塾大学商学部卒 KESS卒 某地元自動車メーカー入社。マーケティング部門で商品企画、ウェブ等の広告コミュニケーション等に携わる。01-03年にはカリフォルニア州LA近郊の現地子会社に出向。当時は清水もわざわざ遊びに来てくれました。
(2008年10月 三田「慶応大学学食」にて)

広島から海外へ

(貫名洋次:) いやー、、これ、俺、上手く話せるかな?
なんか全然、たいしたこと話せない気がするんだけど。

(清水宣晶:) 大丈夫、大丈夫。
みんな、そう言いつつも、面白い話しが出てくるから。
ヌッキーは、大学時代以外はずっと広島に住んでるけどさ。
広島にいるから気づくことってある?

んー、やっぱり、、東京に来ると人が多いなって思うよ・・。

・・・

(しばらく沈黙のあと、お互い、笑)

いやいや!大丈夫、大丈夫!
広島のいいところって、どういうところなの?

やっぱり、自然が多いところかな。
ゴルフをやったりする人は、車ですぐに行ける距離にあるし、
サッカーとかテニスの練習場も、東京よりずっと安くて予約しやすいし。

うんうん。
アウトドアで遊ぶには、東京よりずっと便利だよね。
この先もずっと広島にいたいって思ってる?

まあ、60歳ぐらいになったらやっぱり広島にいたいと思うけど、それまでは、いろんなところに行ってみたいな。
東京にも住んでみたいし、色んな海外の街にも行きたいね。

旅行じゃなくて、海外に住みたいってこと?

住みたいね。
今回ドイツに行くのは3年間の予定だけど、4~5年くらいは行きたいし。
※貫名は今年(2009年)ドイツに転勤の予定
その後はやっぱり、またアメリカにも行ってみたい。

海外に住んで、何がしたいの?

今まで見たことがないものを見てみたいかな。
旅行だと表面的なところしか見れないけど、住んだら全然違うものが見れるし、現地の人と仲良くなったりするのは楽しいな。
目的になってないかもしれないけどさ、でも、やっぱり単純に、行ってみたいんだよね。

周りに知ってる人があんまりいないのって、不安にならない?

まあでも、現地の人と食事をしてるうちに、
パーティーに来ない?って、誘ってもらったりとかさ。
そういう機会が日常で多くなるのは、すごく嬉しいよね。
現地にいた、日本人の知り合いが、また別の人を紹介してくれて仲良くなったり、
広島にいたら出来ないような横のつながりはすごく出来やすい。

それはあるなあ。
海外にいると、同じ日本人っていうだけでも、まったくつながりがない人とも仲良くなれたりするよな。

あと、ロスにいた時も、清水とかいがぽん(五十嵐義明)が来てくれたりしたけど、結構、海外にいる時って日本からの知り合いも来るんだよ。

うんうん。
離れた場所にいる時のほうが、人が訪ねてきてくれる機会が多くなるってのはあるよな。
あとさ、貫名みたいに、普段遠くに住んでる人が、出張とかで東京に出てくるっていうと、それに合わせて「じゃあ、久しぶりに集まろうか」ってなりやすいよね。

そうそう!
近くに住んでたからって、毎週会えるわけでもないし、地方にいたほうが、かえってみんなと会いやすくなるってのもあると思うよ。
でも、ドイツに5年もいるとなると、やっぱりそれは寂しくなるかもな。

英語の勉強

ヌッキーが、帰国子女じゃないのに、英検1級やTOEIC980点取ったってのは、かなりスゴいと思うんだよ。
杉原(杉原義之)みたいに、子供の時にずっと海外に住んでた人が取ったとしてすらスゴいと思うけど、仕事をしながらよく勉強出来たね?

うん、通勤時間とか、休みの日にひたすら、「読む」と「聴く」を繰り返してたな。
映画はそれでも、まだ全然わからない。
あれは難しいよ。

なんで、映画ってあんなに難しいんだろうね。
日常会話だからさ、普段話してる内容に近いのかって思うんだけど、何言ってるかさっぱりわからない映画あるよね。

まあ、言い回しがシャレてるんじゃない?
英検やTOEICの勉強で出てくる単語って、日常会話で出てくる単語と全然違ってさ。
CNNとかBBCで言ってることってのはわかるようになってくるんだけど、スラングに近いような、日常での言い回しはわからない。

ああ、そうか。
英検の勉強で必要な単語と、あんまり日常会話の単語は、また全然別なんだな。
KESS(大学時代に所属していた英会話のサークル)でやってたことって、その後、役に立ってる?

やっぱり、英語は大きいよ。

あ、そう!?
物事の考え方とか、英語以外のことのほうが役に立ってると思ったから、それは意外だな。

そう、俺も当時は思いもよらなかったんだけど。
会社入って、すごい大勢の人に向ってスピーチをする機会があってさ。
なんか、昔、スピーチのやり方とか、色々習ったじゃん?
後ろで手を組まないとか、ぐらぐらしないとかさ。

あったあった!
ポージングとか、アイコンタクトとか、ものすごい細かく注意されたな。

それのお陰で、その時、すごく上手くいってさ。
大勢の前で英語でスピーチするなんて、普通はあまり経験ないじゃない。

「あいつ慣れてるなあ」って思われたんだ?

そうそう、
「お前、普段そういう話し方じゃないのに、よくあんな風に話せるな」って。

(笑)わかるわかる。
そういえば、ヌッキーって、スピーチの時になると、やたらとカツゼツ良かった覚えあるよ。

そう。何故か、変わるよね。
「普段からもっと、そういう風にしゃべってくれない?」って上司に言われたよ。

雨のち晴れ

ドイツ語は、今、どうやって勉強してるの?

英語の勉強の時と同じで、
やっぱり、ひたすら「聴く」「読む」を繰り返してる。

「聴く」ってのは一番大事だよね。
ドイツ語を話す機会ってのはある?

最近はゴールデンウィークとか夏休みにドイツに旅行に行ったり、
嫁とIP電話で話しをする時に、覚えた単語とかを使ってみたりしてる。
※貫名の奥さんは、同じ会社に勤めていて、先にドイツに赴任している
行くまでに簡単な会話と、自己紹介が出来るようにはなっておきたいね。

やっぱり、夫婦で住むっていのはいいなあ。
しかも、職場も同じ場所だし。

そう。あと、お互い、趣味も近いしね。
一緒にワインを飲みに行ったり、遺跡を観に行ったりとかさ。
一人で行くよりも圧倒的に楽しいんだよね。

なんか、そうやって、
二人で同じ時期に外国で働けるってのは運命的なものを感じるね。

それは、やっぱり感じるな。
去年ぐらいさ、彼女もオレも結構ツラい時期だったんだよ。
二人とも、なかなか仕事が上手くいかなくてさ。
俺は、帯状疱疹っていうのが身体に出たり。

それ、すごいストレスかかってたんだな!

そう、その当時はかなりストレスもあって。
でも、あん時に頑張らなかったら、
二人ともドイツに行くってことは出来なかったし、
やっぱりそういう、運命というか、タイミングは感じるよ。

昨日カラオケで歌った、ミスチルの「雨のち晴れ」みたいな話しだね。

(笑)そうそう!
人生ってやっぱり、そういうのあるんだろうかな。
落ち込んだ後には、いいことがあるっていう。
でもやっぱり、嫁の存在は大きかったな。
TOEICの勉強をする時も、二人とも競いながら、高めあうことが出来たし。
オレがちょっと後ろ向きだったら、「頑張りなさいよ」っていう感じで励ましてくれたし。

そういうの、すごくいいなあ!

今回ドイツに行くことになった経緯とか考えてみても、やっぱり、彼女の存在は大きいね。
ドイツで二人で頑張ればまた、違った展開が生まれそうで、色々楽しみだよ。
次はどんなものが見えてくるのかな。
(2008年10月 三田「慶応大学学食」にて)

清水宣晶からの紹介】
貫名は、大学の時に所属していた「KESS」という英会話サークルで、一緒にディスカッションをやっていた仲間だ。当時の、貫名の苦学生ぶりは相当なもので、三畳間に押し込められるようにして棲みながら、電気もガスも水道も止められることもしばしばだった。
そういう、何となく放っておけない、母性本能をくすぐるような空気を常にただよわせる貫名の家にはよく人が集まり、そこでぎゅうぎゅうになりながら朝まで語り合うというのは日常の風景だった。

卒業後に、地元の広島へと帰っていった後も、貫名が出張や旅行で東京に来る時には、たいがいそれをきっかけとして、またみんなが集まって顔を合わせることが恒例になっている。今ではもちろん、社会人として立派に仕事をしているわけだけれど、それでも何となく世話をしてあげたくなる雰囲気が、貫名にはあるのだ。

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