本田三佳

本田三佳(ほんだみか)
1975年4月27日生まれ。
神奈川県出身。

リフレクソロジスト・セラピスト

大学卒業後、リフレクソロジストの資格取得。
心理学ゼミ恩師の紹介で、イギリスの自然療法と出会う。
自然療法のカウンセラーを育成する
国際教育プログラムのアシスタントになる。
様々な自然療法を学んだ後、表参道のギャラリーにて
カウンセラー、講師を務める。

長女を助産院で出産、次女を自宅出産。
長男を思いがけず病院で出産。

趣味は、家族。歌。掃除。パンづくり。
現在、夫と「ありがとう生体院」を経営中。

待つことと謝ること

(清水宣晶:) この店は、小籠包がイチオシだけど、
他のも、どれも美味しいよ。

(本田三佳:) あつし(本田温志)さんがいたとしたら、
きっとこの、酸辣湯麺とか頼むんだろうと思う。
あと、この三種の変わりダネ小籠包とか。

あ、そう!?
いきなり、そういうところ攻める?

チャレンジ好きで、
新しいもの見ると色々頼もうとするの。

好奇心旺盛だね。

そう、私は逆に、
店の定番みたいのが決まってるんだったら、
「もう、それだけ」って。

(笑)男前だ!

オーストラリアのカジノに行った時もね、
あつしさんは、少しずつあちこち賭けていくんだけど、
わたしは、じーっと様子をうかがって、
ここだ、と思ったら、持ってるの全部賭けちゃう。

そういう役割なんだな。
うまくバランス取れてると思うよ。

そう、役割なんだね。

今日、みかちゃんに一番聞きたいのは、子どもの育て方でさ。
どうして、本田家の子どもたちは、
三人ともあんなに素直に育ってるんだろうって思ったんだよ。

素直さっていうのは意識して育ててるね。
一番大事なことだと思ってるから。

どうやってるの?

自分がまず、素直になろうとは思ってる。
親だから謝れない、っていうのはやめにして、
間違ったら「ゴメン、ママが間違ってた」って言ったり。

それはいいね。

しょっちゅう謝っちゃう。
ほんと、間違いだらけだからね。

子どもへの接し方では、
あっちゃん(あつしさん)との役割の違いみたいのはある?

二人で同時に怒らないようにしてるね。
あつしさんがガーッて怒ってる時は、
わたしは黙ってて、後で「どうしたの?」って聞くし、
逆に、私が怒ってる時は、あつしさんは口出さない。

そうか。
やっぱり、三人目ともなると、
だいぶ母親業や子育てにも慣れてきたでしょ?

慣れてきたね。
だんだん、加減がわかってきた。

関わり方の加減?

一人だけだとね、私はその子に集中しちゃうから。
たくさんいると、一人に向いてる間に、
他の子が、親の目を盗んで、いたずらしたり出来るでしょ。
そのぐらいの余裕があるほうがいいと思う。

わかるなあ。
常に注目されるのって、
それがずーっと続くと、息が詰まるだろうね。
本田家を見て、やっぱり、兄弟がいるっていいなって思ったよ。

3人いたら刺激的だよ。
毎日、事件だよね。

いろんなことをしでかしてくれる?

そうそう。
ほんといろんなことあって、
それで思ったのは、
親の仕事は謝ることなんだな、ってことだね。

ぶははははは!
あ、そう!
実感こもってるなあ。

何かあると、話しが大きくなる前に謝っちゃう。
見栄張っちゃダメだなって思う。
特に子育てでは、等身大が一番楽だよ。

3人分の生活が、同時並行で進んでいくわけだから、
やることいっぱいあるんだろうね。

そう、やるべきこととか、
いちおうリストアップとかするんだけど、
やっぱり、抜けちゃう。

そりゃそうだろうな。

子育てをしているうちに、
随分、気が長くなったね。
なんか、「待つ」ってことを覚えた。

「待つ」か。
それは、いつぐらいから?

あすみが生まれてすぐ、
アトピーがひどかったじゃない?

うんうん。

それもあったし、
お母さんたちがよく言うことで、
「おむつが遅いと、歩くのが早いよ」とか、
「歩くのが遅いと、しゃべるのが早いよ」とか、
何かが遅いと、その分、他のことが早いって言うらしいんだけど、
あすみは、全部が遅かったの。

あ、そうだったのか。

だから、すごく心配して、
病院に行って相談をしたりもしたんだけど、
そこでやることって、投薬をしたり、
急いでムリに体を変えようとするばっかりで、
これは違うな、と思ったの。
私がやいのやいの言ったところで、早まることじゃないし。

そうだよね。

それがわからないうちは、
なかなかおむつが取れなかった時も、
とにかく早く治したくて、怒ったり、がっかりした顔をしたりして、
彼女も、自分でやりたくてやってるわけじゃないのに、
すごく彼女のプライドを傷つけたと思う。

そうか。

そのことに気がついた時、
「あすみ、ごめんね。
もう言わないから。信じて待つから。」って言って。
そしたら、
「ほんと?ママ、もう怒らない?」って、泣いたのね。

あすみちゃんも、
ずっと、ツラい思いをしてたんだな。

だから、私が子育てで心がけてることがあるとすれば、
「待つこと」とだね。
それと、「謝ること」(笑)。

なるほどなあ。
家族が増えるっていうのは、
自分の力じゃどうにも出来ないことが増えるっていうことなんだよな。
それは、すごく学びがある経験なんだろうね。

三人生まれて思うのは、
育ててるんじゃないなあ、と思う。
私が、育てられてる。
一人じゃ足りないから、三人来てくれたんだよ。

ぶはははは!
そうか!
三倍育てられる必要がある、と。

はたから見てる人からしたら、
三人来てくれて、
「ようやくお前もまともになってきたな」、
っていう感じなんだと思う。

魔法の言葉

みかちゃんて、何人兄弟なの?

三人姉妹の長女。
父親が、仕事であんまり家にいなかったから、
私が、家を守らなきゃっていう感じだった。

そうか、父親代わりだね。
そういうので、男勝りなところあるんだな。

そうそう。
ほんとは怖がりなんだけど、
ずっと、強くなりたいって思ってたから、
考え方も、そうなっちゃってるの。

昔っから、仕事よりも家庭のほうを
大事にしたいって思ってた?

全然。
私、昔は、絶対結婚しないって思ってたもん。

えええーー!?

結婚に夢も持ってなかったし、
男の人のことも、あんまり信用してなかったのね。

そうだったのか。
それが、なんで変わったの?

母親に、魔法をかけられたの。

魔法?

「私は、結婚に夢も持てないし、
一生独身で、仕事に生きる」って母親に言った時、
「そんな悲しいこと言わないで」って、泣かれたのね。
「人生で、苦しい事と楽しい事が半分ずつあるとしたら、
あなたは今までで苦しみの部分を全部経験したんだから、
あとはもう楽しみしかないのよ」って言ったの。

それは、すごい言葉だなあ。

その言葉で、母親の暗示にかかったというか、
突然、希望が持てるようになった。

そうか。
そういう、
たった一言で、人生の景色が一変しちゃうような瞬間てあるよね。

実際には、もちろん、
結婚してからも苦しいことは色々あったんだけど、
その言葉のおかげで、
もう、ツラい部分は終わったんだから、
先には楽しいことが待ってるはず、っていう気持ちでいられた。

それは大きいね。

「人間万事塞翁が馬」って言うけど、
あれは本当だなあ、って思う。

やっぱりそう感じる?

ツラい出来事でも、
ほんと、後になってみれば、あれがあってよかったって、
思える時が来るからね。

それはわかるなあ。
その渦中にいるときはとても思えないけど、
ずっと時間が経ってみると、そういうふうに思うよね。

だから、なにか困った事が起きても、
きっと将来への伏線だって思うし、
あと、ネタだと思う。

ぶはははは!
ネタ!

全部笑い飛ばしちゃう。
子供の時から、そういうところはあったね。
ツラいことがあったら、友達に会って、
「また、いいネタが入りましたよ」って話して。

そんなにネタあったんだ?
そういう人のところに、更にいいネタが来るんだよなあ。

わざわざ仕入れてるつもりはないんだけど。
ほんとは、向こうからネタが来たら、
路地に隠れて逃げたいんだけどね。
坂本龍馬みたいに、本当に強い剣士の人って、
戦う前にちゃんと避けるじゃない?

(笑)達人はそうだね。
でも、みかちゃんは、
無意識では望んでるんだと思うな。
揉め事起きたら、心のどっかでガッツポーズしてるんだよ。

それ、おっかしいね!
たしかに、そうなのかも。
何か起こるとすぐに、あつしさんのお母さんに、
「ちょっと聞いてくださいよ!」って電話してるわ。

ほんと、人生を楽しんでる人だわ。

そうだね。
こんな、どったんばったんやってても、
それもひっくるめて、
毎日楽しいと思うし、幸せだって思う。

一国一城の主にしたい

さあ、じゃあ、
そろそろ出ましょうか。

あー、美味しかった。
この店は今度ウチの人たちを連れてきてあげよう。
きっと喜ぶわ。

そういうことって、いつも考える?

美味しいものを食べるとね、
ああ、これをあつしさんにも食べさせてあげたい、
って思うの。

いいなあ、そういうの。

私、子育てと同じように、
夫育てっていうのにも、燃えてるんだよね。

おお?

自分より年上の人におこがましいんだけど、
あつしさんへのサポートは、惜しまない。
彼を、一国一城の主にしたいのよ。
日本一の整体師になってほしいって思ってる。

うんうん。
サポートしてくれる人がいつも隣りにいるってのは、
嬉しいもんだろうな。
今日はオレも、みかちゃんの話しを聞いて、
幸せな気持ちになったよ。
(2011年11月 横浜「鼎泰豊」にて)


清水宣晶からの紹介】
みかちゃんの家は、いつも明るくて賑やかだ。
3人の子どもたちが楽しそうに動きまわっていて、家に誰かが来た時にも、まったく距離を置くことなく、近づいて話しかけていく。
自宅で開院している「ありがとう生体院」は人の出入りが多く、地元とのつながりも深いので、家族だけではなく「みんなで子どもを育てている」という空気がある。

その、一体感の鍵になっているのは、みかちゃん自身が、子どもたちと同じ目線で、一緒になって笑い、泣き、ドタバタしながら子育てに奮闘していることなのだと思う。
毎日いろいろなことが起こるけれども、それを笑顔で受け止めて、家族を信頼する彼女の存在があるからこそ、みんなが安心して過ごせる場が、そこに生まれている気がする。

これから、一周り遅れて自分の家族を作っていくことになる僕にとって、彼女の話しには、深く響くものがあった。この先、進むべき道を見失いそうになった時には、きっと、本田家の明かりを道しるべとして思い出すのだろうと思う。

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