岩村隆史

大勢でひとつの目標に向かっているときの一体感が好きです!

趣味
(冬)スキー、スノボ、マラソン
(夏)サーフィン、山遊び、マラソン
家事、NHKラジオ

好きな食べ物
バランスアップ クリ-ム玄米ブラン(ゴマ・メープル)
ティラミス
パンプキンパイ
ローズネットクッキー

一人も日本人がいない環境

(岩村隆史:) すいません、ビールおかわり!

(清水宣晶:) 早いね!
食うのも、飲むのも、
スッゲー早いね!?


ほんと早い。
おつまみとか、すぐ食っちゃうし、
アメとかも、途中で、
噛んでなくなっちゃうし。

急いで食べてんの?

というよりも、
マイペースなんだと思う。

ああ、そういうことか。
マイペースな人は、オレも一緒にいて楽だよ。
たかしがアメリカに留学してたのは、
高校を出た後すぐだったんだっけ?

そう。
高校生の時は、
日本の大学に行こうっていう気持ちが全然なかった。

他にも、海外の大学に行くような人って
結構いる学校だった?

俺が行ってた高校は、県立なんだけど私服の学校で。
周りの友達って、芸術肌のヤツが多くて、
芸大とか音大に行きたいっていうような人ばっかりでさ。

そういう環境だったのか。

当時は、俺もスタイリストみたいな仕事に憧れてたんだけど、
そういうアートの感覚って、自分には全然なかったから、
周りのやつらと比べた時、自分に何が出来るんだろうって、
その時すごく考えて。

うんうん。


最初は、高校出たら働こうかと思ったこともあったんだけど、
高二の時に、卒業生の講演っていうのがあって、
キャスターの蟹瀬誠一さんが話しをしに来たんだよね。
その時に、海外でとてもいい経験をしたっていう話しを聞いて、
興味を持ったのが、最初のきっかけだった。

アメリカの大学の授業って、
大変だったでしょ?

アメリカの大学にいた4年間は、
めちゃくちゃ勉強した。
睡眠時間が毎日4時間ぐらいで、
それ以外は勉強、っていうような生活で。

とことんやる人だなあ。
日本の大学生活とえらい違いだよ。

普通に日本語なら数十分で読めるような本でも、
何時間もかかっちゃってたから。

そうだよなあ。
場所は、どこだったの?

最初に入ったのは、2年制の短大だったんだけど、
ワイオミング州っていうところで。

ワイオミング州!
すごいところ行ったなあ。


周りは砂とシダ植物ばっかりの、
広大な土地の中にある、キャスパーっていう町にいたんだけど、
めちゃくちゃ田舎だった。

アメリカで田舎っていうと、
とんでもない田舎でしょ?

ニューヨークだとエンパイア・ステートって言ったり、
それぞれの州ごとに、愛称があるんだけど、
ワイオミング州は、カウボーイ・ステートって言われてるところで、
ほんとうに何もないところ。

車のナンバープレートに、
州ごとの絵が描いてあるやつだよね。
町には、日本人ていた?

日本人がいないところに行こうと思ってたから、
大学にも一人もいないし、町にもいなかった。

日本語をしゃべらないっていう覚悟だったんだな。
ニューヨークみたいな都会に留学したいとは思わなかった?

そこは、ぐっとこらえて。
あと、学費のことで親に面倒をかけたくなかったから、
「逆に日本の大学に行くよりも安いんだ」って
言いたかったんだよね。
最初の2年で行った大学は本当に安くて、
年間30万円とか、そのぐらいの感じ。

そんな安いんだ!?

一番安いところを選んだ。
しかも、一番田舎のところを。

その根性がスゴイと思うよ。
その短大を卒業した後に、
4年生の大学に編入したの?

そう、その後にいったのが、
ニューヨーク州立大学で、その場所も、
ニューヨーク州とはいっても、バッファローっていう、
マンハッタンから車で8時間ぐらいかかる場所なんだけど。

大学に編入するのって、
アメリカ人と同じ土俵での競争だから大変なんだろうね。

そう、向こうは、GPA(Grade Point Average)っていう、
授業の成績によって行ける大学が決まるから、
それは、ものすごい勉強した。

ネイティブの学生と同じ授業を聞いて、
その内容を理解しないといけないっていうのも、
プレッシャーだろうと思うよ。

でも、4年間授業を受けててわかったのは、
授業のうち5割ぐらいは、どうでもいいことを話してるんだよね。
で、聞いててなんの話しだかわからないことは、
そんなに重要じゃないことじゃないんだよ。

あ、なるほどなあ!
たしかに、余計な世間話みたいなことだと、
スラングとか、聞き慣れない単語が多くなるよね。

そう、表現が一般的じゃない話しって、
大した内容じゃないことがほとんどだから、
そこは気にしないでいいんだってわかってから、
すごく楽になった。

高校卒業してすぐに、
日本人が誰もいないところに一人で行くなんてのは、
かなりコワいよね?

すごいコワかった。
なんか、戦争に送り込まれる兵士みたいな気分だったよ。

(笑)自分で選んだ道とはいえね。

そう、自分で選んだ道とはいえ、
それだけ覚悟して行くからには、
途中で帰ってきたくないっていうのがあったし。
背水の陣だった。

うわー、、
それはほんと心細いと思うよ。

今でも忘れないのは、
アメリカに出発する時、成田空港に、
高校の友達と両親が見送りに来てくれたんだけど、
その時、すごい泣いちゃって。
これから別の世界に行くんだなっていう寂しさを感じた。

その不安はあるだろうなあ。

あれを味わったから、
今はほとんど、そういうことはなくなってる。

でも、18歳で海外に留学するってのは楽しいだろうね。

すべてがほんと刺激的だった。
その時は、バックパックの旅行で、
一人でアメリカ中をまわったりもしてたし。

グレイハウンドのバスとかで?

そうそう!まさにそれで、
一ヶ月ぐらいのフリーパスを買って、
地方の町をいろいろまわってた。

オレは今、そういうところのほうが行きたいな。
都会じゃなくて、観光地でもなんでもないような小さい町。

日本にいるとさ、
アメリカってロスとかサンフランシスコみたいなところだって
勘違いしちゃうんだけど、
基本的には、なんにもないところばっかりなんだよね。

国土のほとんどが、そうだよね。
アメリカの本当の姿がわかるのって、
そういう町なんだろうなと思う。

頼られることで燃える

たかしって、ランニングとか山登りみたいな、
自分と向き合うようなものって、好きじゃない?

好きだね。
大学の時は、いろんなものを見たいっていう好奇心もあって、
一人でいろいろなところに行ってたんだけど、
社会人になってからは、旅行に行っても、
ただ観光っていうんじゃなくて、
達成感が味わえないと、行きたいと思えなくなっちゃって。

達成感って、どういうの?

年末年始によく山登りに行ってて、
今年は、竜ヶ岳っていうところの頂上で、
富士山からのぼる初日の出を見たんだけど、
なんかそういう、目的がないと、
モチベーションが湧かないんだよね。
未知の領域に行ってる感じじゃないと。

ああ、それは、わかるなあ。
ただ観光地に行って、
「これがエッフェル塔かー」
とかじゃ面白くないんだよね。

そう。
キレイだなーとかは思うんだけど、
それが持続しない。

オレも似たところあるんだけど、
そこに行った、っていう瞬間に、
「よし、ここはもう見たから、次行こう」って
思っちゃうでしょ?

そう、すぐ飽きちゃうんだろうね。
熱しやすく冷めやすい。
だから、何かの目的を設定して、
それを達成する、みたいな旅行しかしてなかったんだけど、
そこは、結婚して、ちょっと変わったと思う。

お!
どう変わった?

ちぃ(岩村ちひろ)に合わせて一緒に旅行してると、
自分が感動するかどうかに関係なく、
ちぃが感動してるのを見るのが楽しくなってきたんだよね。

なるほどなあ。
誰かと旅行をすると、
自分じゃ思いつかないようなところにも行くから、
それで幅が広がってるからかもな。

それが、逆に、新鮮でいいんだよね。
だから最近は、一人でなにかをやるっていうことに、
あまり価値を感じなくなってきた。

たかしは、普通に一人で生活してると、
自分のペースっていうのがはっきりあるから、
そこに割り込んできて、
自分の枠を崩してくれる人を求めてるところあるんじゃない?

それはあると思う。
だから、ちぃみたいに、
自分と全然性格が違う人といるのは面白いし、
俺のことを頼りにしてくれる人が近くにいるっていうのは、
すごくやる気が出る。

ああ、頼られることで燃えるんだな。


あまり自分が自分に期待してないところあるから、
頼られるってのは、すごく嬉しいよね。

自分に期待してない?

自分も含めて、人間って、
その時々の精神状態も一定じゃないし、
間違った判断もするものだと思ってるから。

うんうん。

だから、自分が正しいのかどうかってのは、
無意識で常に考えちゃってるよね。
草なぎくんが、全裸で公園を走りまわっちゃった、
とかってのも、なんとなくわかる気がするよ。
そういう時もあるだろうな、って。
人間って、そういう部分、誰にでもあると思うんだよ。

その、「人間は基本的に間違えるもの」って視点は、
オレはすごく好きだよ。

100%正しい判断出来る人なんていないし、
自分自身もそうだと思ってるから、
そんな俺に期待してくれる人のことは、
自分以上に大切にしたいっていうのがある。

頼られると、普段以上の力が出るんだろうな。

そう、それも、
ちぃと結婚して良かったって思うところだね。

毎日を味わいたい

たかしは、人との関わりでも、
相手の中に踏み込んでいきたいと思う?

俺の中では、一番やっちゃいけないと思うのは、
当たり障りないコミュニケーションなんだよ。

あ、そう!
言いたいことがあるのに言わない、
みたいなこと?

そう、なあなあで終わっちゃうとか。
よっち(吉田秀樹)の関わり方は、俺はすごく憧れてて。
自然体で、思ったことを包み隠さず言うし、
でも、相手のことを考えて、伝わりやすい言葉で言うしさ。
すげぇなあと思うんだよね。

そうだね。
あの絶妙なバランスは、
センスあるなあと思うよ。

すごいセンスだと思う。
俺は、相手に合わせ過ぎちゃったり、
逆にまったく合わせられなかったりするから。
人との関係でも、常に、
どこか自分が努力してチャレンジしてるところがないと、
やっぱり飽きちゃうんだろうな。

オレは、そういう努力って、なんか避けてて、
なるべく気が合う人とだけいるようにしよう、
って考えちゃってるとこあるな。

俺もそういうところは、すごくあるんだけど、
それを続けてると、その状況に飽きてきちゃうんだよね。
仕事でもそうなんだけど、モチベーションを保つには、
今の自分より、ちょっと上のところを目指さないといけないと思ってる。

すごいな、それは!
平穏な日常に安住せずに、
常に自分でハードルを上げてるんだな。

やっぱりさ、
何かしら、毎日、違いは欲しくない?
昨日とまったく同じ日が今日も来たら、
人間たぶん死んじゃうと思うんだよ。

まあ、、でも、
あんまり変化を好まない性格の人もいるかもな。

でもね、毎日まったく同じは耐えられないと思うよ。
小さい部分の違いに気づいて、
そこに喜びを感じる人もいると思うんだけど、
俺は細かいところには注意がいかないから、
小さな変化だと、モチベーションが上がらないんだよね。
たとえば、お茶が出てきて、茶柱が立ってたとかじゃ、
俺、何とも思わないもん。

ぶはははははは!
もっと、はっきりわかる刺激がほしいってことか。

そう!
はっきりわかる刺激がほしい。
風もなくて、波も立たない人生を送るっていうのが
苦痛なんだよね。
もっとリアルに、毎日を味わいたいんだと思う。

それは、
なかなか大変な日々になるかもしれないよ?


大変な部分もあるだろうけど、
なにもない平坦な毎日を過ごすよりは、ずっといい。
時々、睡眠時間が8時間ある、ってなると不安になる。

ええ!?
なんで不安になるの?

俺がこんなに寝られるなんて、
間違ってるなあって。

ボーッとして、
何もしてない時間とかがイヤなのか。
それは、来月からの中国赴任、
かなり楽しみだね。

楽しみにしてる。
英語も日本語も通じないっていう、その状況が、
おそらく相当笑けて楽しいだろうなって思う。
今までも中国には時々出張してるんだけど、
文化が全然違うから、
めちゃくちゃ面白いことあるよ。

そういうのを楽しめる人には最高の環境だろうな。
少なくとも、平坦な毎日にはならないと思うよ。
(2012年2月 武蔵小杉「かまどか」にて)


清水宣晶からの紹介】
たかしと話しをしていて感じるのは、精神的なタフさだ。
苦難や向かい風を自分自身が成長するための糧にする強さがあるし、たとえ一人だけであったとしても、自分が信じた道を進もうとする、揺るぎない意思を持っている。
そういう、たしかなベースがあるからこそ、新しい価値観や、自分と異なる意見を積極的に楽しむだけの幅が生まれるのだろうと思う。

常に新しい刺激を求め続けているたかしにとって、今年(2012年3月)から赴任する広州は、これ以上ないぐらいに、彼の好奇心と向上心を満足させる場になるにちがいない。
中国で暮らし始めた後のたかしに、今回の話しの続きを聞きに行くのを、今からとても楽しみにしている。

対話集


参加型ワークショップ



ヒトゴト検索