田島由香子

名前:タジー。
テニスとランニングとひよこまめが大好きなおとめ座女子。
学生時代にネットショッピング、ウェブデザインにあこがれ、アメリカに1年留学。その後、ベジタリアンレストランが建てたいと思い、ネットショッピング運営とカフェ勤務を学生時代にかじる。
その後、ひよこまめのレシピ食べ歩きにNYへ飛ぶ。帰国後、IT企業に就職。ポッドキャストのポータルサイト運営を経て、インターネットをチャリティに利用すべく、iTunesで歌を出すネオワールドプロジェクトに参加。
また、シリコンバレーのIT事情に首を突っ込んだり、国内外でビデオブロガーイベントを企画。インターネットを活かしたコミュニケーション、マーケティングと食をはじめとした異文化交流を探求中。基本的にはなんでもやってみようの心意気で、好奇心の扉を開いていきます。

さらに詳しいプロフィールはこちら。
http://amino-tajee.com/profile/
(2009年6月 エスニックレストランにて)

海外との関わり

(清水宣晶:) タジーの、
その、どこでも生きていけるサバイバル能力は、
どこから来てるんだろう。
不思議なくらい環境に適応するよね。

(田島由香子:) あんまり外に出て行くことを怖いとは思わないね。
知らない外国に一人で一ヶ月間行ってきてって言われても、
全然、楽しそうと思う。
異文化を見たいっていう願望がすごく強いんだろうね。

初めて海外を経験したのはいつだった?

海外自体は、修学旅行でイギリスとか行ったことあったけど、
団体旅行だったし、英語も全然話さなかった。
大学一年の春休みの時、
オーストラリアのバス会社がやってる、
ものすごい安いヨーロッパツアーがあって、それに参加したのが本当の意味での海外経験だったと思う。
当時、英語もまったくしゃべれないのに、
現地集合、現地解散のツアーで。
しかも私、一人で申し込んでるの。

(二人、爆笑)

それは、、それはスゴい!
現地って、どこに集合するの?

イギリスの、なんかよくわからない
安ホテルのロビー。

あやしさ満点のツアーだな。

安いツアーだから、全然知らない人と同じ部屋になって、
それが、毎晩違う人になるの。

そういうツアーに、一人で参加するってのが面白いよ。
女の子って普通、友達と一緒に行くでしょう。

大学に、その旅行会社の代理店が説明に来てたのね。
その説明会に、200人くらいが集まったんだけど、
「3名の方だけに、29000円で飛行機代つきでツアーを用意します」
ってそこで紹介してて。

えぇ?
それ、ヨーロッパまでの飛行機代も込みなの?

そう、破格の値段でしょ?
絶対申し込むじゃないですか、ダメモトで。
行けると思ってないから、別に誰にも相談しないで申し込みをしたら、
その後、「当選しました」って連絡がきて。

スゴいね!

後から聞いたら、
誰も申し込んでなかったらしい。
「実は、田島さんだけだったんですよ」って。

(笑)おいおい!
200人いて、他に誰も申し込まなかったんだ?
説明会が、相当いかがわしかったんだろうな。

確かに、ホテルもよくわからない所だし、
毎晩知らない人と同じ部屋になるってのもあったし。
まあ、私は別に気にしてなかったんで。

そこが、タジーと他の199人との分かれ目だなあ。
シリコンバレーに行った時も、そういう軽いフットワークだった?

あの時は真剣で、人生賭けてた。
もう日本に帰らないつもりだったから。

ホント!?
じゃあ、行った当初は、
そのままずっとアメリカにいるつもりだったんだ?

いたいと思ってたし、
アメリカで、投資家とか、仕事を組みたい人たちから認識してもらうには、
それぐらいの覚悟が必要だと思ってた。

シリコンバレーでは、
どういうことをやってたの?

アップルストアでビデオブログのイベントを開いたりしてたんだけど、
仕事の話しをするにしても、まず、仲良くなることだと思って、
私の仕事は、友達を作ることだと思ってた。
その点で、日本人で女の子ってのは、すごく有利だったね。
みんなが興味を持って、しゃべりかけてくれる。

目立つだろうね!
それは、すごく想像つくよ。

その、シリコンバレーにいた時の会社の社長は、
チャレンジをすることを身をもって教えてくれた人だった。
その人自身がプレイヤーだったし、危ない橋も渡るし。
それ、社長としてはアウトかもしんないんだけど。

ぶはははは!
いや、ベンチャーっぽくて、すごくいいよ。

現地のgoogleとかアップルとかの人たちと飲む時にも
フランクに入り込んでいって、日本人ぽくない人だったんだね。
その姿勢をすごく学んだし、影響は大きかった。

そういう社長と、シリコンバレーで
働いた経験ってのは、大きいだろうなあ。

うん、結局シリコンバレーにいたのは長くはなかったんだけど、
その時のゼロからの開拓だ!って思いながら生活していた
経験は、今でもすごく残ってる。

走ることについて語るときにタジーが語ること

タジーは、前に、
竹馬に乗ってるのを見た時も思ったけど、
やっぱり、運動神経がすごくいいんだな。
テニスをやる前は、何かやってたの?

中高生の時にバスケットをやって、
大学生からテニスを始めたんだけど、
バスケットよりも疲れないから、
たくさん動けるし、練習がすごく楽しかった。

不思議だよなあ、その小さい体で、
なんでそんなに体力があるのかって思うよ。

アメリカに行ってからも、毎日テニスはやってたんだけど、
仕事をし始めて、やる相手がいなくなってしまって、
代わりに走り始めるようになった。

もともとの動機は、テニスの代わりだったんだな。
それでフルマラソン3時間半を切るってのはすごいよ。

怖いと思わないってのはあると思う。
スノボとかも、及び腰だと上手くいかないでしょ。
怖さを感じるよりも、楽しいって思うほうだから。

バンジージャンプってやってみたいと思う?

それは、やってみたいものの一つ。
プールの飛び込みとかも、怖いんだけど楽しいって思うし。

生まれつきのものなんだろうなあ。
新しいものとか、刺激を求める遺伝子ってのがあるらしくて、
冒険家の人ってのは、たいていそれを持ってるって言うよ。

こういう特性を持ってしまったら、
生きていくには、それを活かすしかないんですよ。

タジーは、どの時間に走ってるの?

朝、仕事に行く前に1時間くらい。

そうなんだ!?
仕事の前に走りに行くんだね。

私は、走りに行くことを「散歩」って思ってるんだけど、
走りながら、フランス語の教材を聴いて、
ゼェゼェいうんじゃなくて、鼻歌を歌うような感じで走って、
だんだん目が覚めてきて、
最後のほうは、調子が出てくるから、ペースを上げて終わるの。

スッゲー!

そうすると、「今日もいいことしたー」って気持ちがいい。
だから、走るっていうのは私の「すごく好きなこと」で、
朝一番に好きなことをやってるから、
その日イヤなことがあったとしても、耐えられる。

最初に、プラスから入ってるからね。
通勤の時に、既にいい気分で始まってるって最高だな。

朝から一日、仕事だけで終わるっていうことが耐えられなくて。
一時間の散歩だけは、どこに行ってもいいし、
誰にも邪魔されない、私だけの自由って思ってる。

それは、本当に幸せだと思うよ。
ジムもさ、好きで行ってるというよりも、
「健康のために動かないとダメかな」みたいなことで行ってる人もいるわけでしょう。
オレも、半分以上そんな感じなんだけど。

それも、ありなんだと思う。
楽しい思いをするためには、土台がしっかりしてないとで、
走るのも、最初は誰でもツラいんだと思うけど、
ある程度体力がついてくると、楽しいってほうが多くなってきて、
ハマるんだろうと思う。

なるほどなあ。

しかも、ウチ、
ディズニーランドの近くだから、
散歩のコースがディズニーランドの周りなの。

ヤシの木が並んでるところだよね?

そう、「ここは私の庭だ」って思ってて。
信号はないし、東京湾が見えて、貸切り状態。

走るには最高のロケーションだね。

最近、「速く走る」とかを意識して走ることもあるんだけど、
それで、前の日よりも1秒だけ縮んだような時、
「ヤッター!」って気分になる。
たった1秒だけだったりするし、
自分だけしかわからない世界なんだけど。

体が理解している感覚

朝は、自然に目が覚めちゃうの?

走りたくて。

走りたくてか!

休みの日も、寝ててもいいのに起きちゃう。
むしろ、休みの日のほうが早いかもしんない。

寝坊するとかっていうことない?

寝坊っていうことが、人生で一回もないと思う。
狙ってるわけじゃないんだけど。

(笑)狙ってるわけじゃないんだけど。

笑っちゃうんだけど、学校を休んだことも一回もなくて。
遅刻もないから、常に出席してるし、
会社も、体調不良とかで休んだこと一回もない。

どういう体してんの、それ!?
鉄で出来てんの?

どうなってるのか、わからない。
何かに気を遣ってるわけでもないんだけど。

生活のリズムが出来上がってるんだね。

仕事で海外に出張行く時、飛行機に乗るでしょ。
乗る前に、まず、走ってくるの。
で、疲れといて、飛行機で寝る。

そんなに簡単に寝られるものなの?

飛行機に乗ったら安心しちゃって、
毎回、離陸する前に寝てる。

ぶははははは!

で、現地に着いたらホテルで普通に寝て、
また朝早く起きて、外に走りに行く。

時差ボケとか、完全に無視だね。
いきなり初日から普段通りの生活になっちゃうんだな。

日本に戻ってきても、
休みの申請とかたいてい忘れちゃってるから、
次の日からすぐ仕事になることが多いんだけど、
一回寝て、朝散歩に出るとそれでリセットされちゃう。

いやー、これはスゴい。
現代人で、なかなかないよ。

私、走ってる途中、公園を探すクセがあるんだけれど、
なぜかっていうと、鉄棒が好きなので。

あー、なるほど。

近所に一つ、自分の高さよりもちょっと高い鉄棒がある公園があって、
それで逆上がりが、どうしても出来なくて、
一応、行くたびにダメと知りつつやってたんだけどね。
この間やったら出来たの!
それが、最近一番嬉しかったこと。笑

それは、嬉しいね!
子供の時、逆上がりが出来た喜びってあったなあ。
逆上がりって、体がコツを覚えた瞬間に、
フッと出来るようになるんだよね。

マラソンも、走り続けてると、
知らないうちに、すごく「走れるようになった」って思う時があるから、
フランス語も、毎日、耳に言葉を入れてるだけだけど、
ある時、わかるようになる時が来るんじゃないかって思ってる。

ヒアリングも、突然聴こえるようになる瞬間あるね。
理屈じゃない世界だよね。
タジーは、体感的に、体がそれを理解してるんだと思うよ。
(2009年6月 エスニックレストランにて)

【暮らし百景への一言(田島由香子)】
ところどころ、爆笑してくれてありがとう!w
笑うときって予想以上の展開じゃん、それが好きです。
これからも笑っていきたいです。

清水宣晶からの紹介】
タジーの底知れない器の大きさには何度も驚かされているけれど、とりわけ、その体力には驚異的なものがある。何かの健康法やマニュアルに従ってそれを維持しているわけではなく、素のままの自然で調子が良いという、ある意味、究極の健康体だ。タジーには、正しいバランスに導かれるようにして自分自身のコンディションを整えるという、野生動物にも似たしなやかな強さがある。
日常の中に楽しみを見出して、それを活力にして動き続けているタジーは、自分でゼンマイを巻いて走るチョロQみたいなもので、プリウスよりずっとエコな生命体だ。

タジーの中には、様々なものが渾然として同居している。動と静、アナログとデジタル、ハイテクとローテク。それは無境界とも言い換えられそうだ。タジーの中には、趣味と仕事の境目や、日本とそれ以外といった区別が厳密には分かれていない。文化も食べ物も、好き嫌いなくあらゆるものを受け入れる。
何かを犠牲にして別の何かを追求するのではなく、自分の関心にひっかかるものは、どんなものでも内側に取り込んでいこうとする柔らかな感覚に従って、早朝の街を走り回って自家発電しながら、今日もタジーは新しい楽しみを作り出している。

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