宮坂善晴

■ニューヨーク生まれ。ただ、3歳で日本に帰国した為、一切記憶はない。あと3年向こうにいればと思う事多数。

■大学時代に自転車でツーリングするサークルに所属。大阪から東京まで走ってみたり、ヨーロッパ遠征等を行う。今でも年に一度は、雪山ツーリングに行ってます。今年(2011年)は白川郷に行ってきます!

■「自分の気持ちに素直に生きる」がポリシー!?
(2010年5月 焼鳥居酒屋「天国」にて)

全部言わせる

(清水宣晶:) よしはると、サシで話すのは初めてだね。

(宮坂善晴:) あっきーは、
人と会う時はサシが多いって言ってたけど、
大人数が集まるような飲み会ってのは、
あんまり好きじゃないの?

そういう場所じゃないと会えない人ってのもいるし、
そこにしかない楽しさもあるけど、
でも、大人数でいる時は、そこにいる人と
ちゃんと話しをすることが出来るとは思ってないな。

俺も、少人数で話すことのほうが基本的には好きで、
あんまり大人数になっちゃうと、自分が出せる気はしないね。
みんなで飲んでる時って、その場を楽しくしたいと思って、
どうしても頑張っちゃうし。

よしはるって、
場で求められてるものに合わせるっていうの、得意じゃない?

どちらかというと得意だと思うし、やっぱり盛り上げたいとか、
期待に応えたいってのは、すごい思っちゃうね。

そうなんだろうな。
そういうサービス精神はすごく感じるよ。
そこで、どっちなんだろうって思うのは、
よしはるは、聞く方が好きなのか、聞かれる方が好きなのか、ってことなんだよ。

うーん、いい質問だねえ。

(笑)そう?
で、どっちが好き?

基本は聞くタイプだと思うよ。
自分の目の前にいる人が思ってることを全部言わせるっていう感覚は、すごく好きだし。

全部言わせるってすごいな。

人なんて、何を思ったっていいと思っていて。
たとえば、誰かを殺したいと思っていたとしても、それは別に構わなくて。
といっても、俺が殺されたら、それはそれで困るんだけど。

困るね。

大事なのは、そう思っていることを、
誰かに言ってることが大事なんであって。
その言ってる内容に、いいも悪いも無いと思うんだよね。
そんなにみんな、いい事ばっかり思ってるわけないと思うからさ。
だから、その人が出したい言葉を伝えられるために、全身でサポートしたいと思っているし、
目の前の人が、自分の言葉で自分のことをしゃべって、楽になっていくのを見るのがすごい好きだな。

あー、やっぱり。
よしはるに対しては、みんな、
安心して話せるって雰囲気はあると思うよ。

人から、「よしはるの前にいると自然でいられる」って言われるのは、
すごい好きだし、、大好きだね。

「好き」二回言ってるけど。
この、よしはるの意外にボキャブラリーが少ないところが
オレ、結構ツボなんだよ。

ボキャブラリー、苦手分野だね。
人の本音を言わせるのは大好き。
それはすごいワクワクするし、そういうのにかまけて、
自分が思ってることを言うのを忘れるタイプ。

なにそのタイプ!?
どういうこと?

なんか、話しを聞いてるうちに、
自分が話すのを忘れちゃってるってことが多い。

聞くことに集中しすぎちゃうってことか。

でも最近、その波が逆転し始めていて、
自分のことも言いたいっていう気持ちが出てきている。

あ、そう!
それ、どういう心境の変化なの?

切り替わったきっかけとして、
ちょっと前、何人かの女の子と続けて会った時期があったんだけど、
その時によく出た感想で、
「ゴメンねー、私のことばっかり話しちゃって」っていうのがあったわけよ。

なるほど、なるほど。

これは・・
これはなんか、
俺、こんな結果もとめてたっけな?と思って。

ぶはははは!
それ、自分がいる意味って何なんだろうって思うよな。

そういえば俺、自分の思ったこと言ってないな、と。
それから、話しを聞きながらも、
「俺はこう思うんだよね」って言うように変わってきた。
ただ聞くだけだったら、俺じゃなくたっていいわけだから、
っていう自我の芽生えがどっかであり。

自我の芽生え、って言葉が、
またなんか、ボキャブラリー的に、
使い方違う気がするんだけど(笑)。

女の子が、10のうち6~7ぐらい話してるんだけど、
気持ちとしては、自分が3~4ぐらい話して、
毒針で刺したい感じ。

ん?
なになに?
毒針で刺したいって何!?

なんかピンポイントで、
必要としている言葉を出す、というか。

ああ、一撃で急所を突く、みたいなね。

そう、的確なコメントを、
ポンってはさめるようになりたいね。

コーディネーター登場

よしはるはもう、
昔っから、聞き役だった?

完全に、受け身人間だったからね。
これ話すと・・長くなるんだけど。

え?
この話しで長くなるの!?
それ、むしろ興味あるわ。

自分の人生を振り返った時、
気がついたら、決まったレールに乗せられていたっていうのがあって。
小学校のクラスメートで、松崎くんてやつがいてさ。

(小野寺洋毅:) お待たせ!

コーディネーターが後から来るっていう、
この段取りがすごいよ。
(この日のよしはるとの対談は、洋毅にセッティングをお願いしていた)

話し、だいぶ進んだ?

これから、
よしはるの人生を振り返ろうとしてたところだった。

やっぱ、長くなるから、続きは今度にしようか。

もともと、この対談をなんでやろうと思ったかっていうと、
洋毅がかなり「聞く人」だけど、
それをさらに上回る「聞く人」がよしはるだ、
って聞いて、じゃあ呼んでみよう、ってことになったんだよ。

よしはるも、一時期ニックネームが「マンツーマン」になるぐらい、
サシで話すの好きだからね。


あ、そうなんだ?

今でも、大学のゼミ仲間からは、
「マンツー」って呼ばれてる。

大学生の頃から、二人になりたがる傾向あったの?

不器用だからなんだけど、
話すんだとしたら、一対一じゃないと話せないから
ゼミの新歓合宿とかでも、なるべく二人で話すようにしたり。

それ、女性限定だろ?
マンツーマンじゃなくて、
マンツーウーマンだよ。


正式には、そういうことになるね。

考えの整理の仕方

試験、終わったね。
(この日は、中小企業診断士2次試験の2日後だった)
試験前は、かなり気合入れて勉強してたでしょ。

この2ヶ月くらいとかは、結構ツラくて。
飲み会とかも、やっぱり予定に入れないようにするからさ。
一人で飲みにばっかり行ってた。

そうだったんだ!?

仕事が終わった後、10時くらいまでは勉強をして、
その帰りに安い居酒屋で飲んで。

そういう時って、
飲み屋みたいなところに行くんだね。

一ヶ所のお店にずっと通いたいんだけど、
俺、人間が小さいから、
「また来たよ。こいつ寂しいんだ。」って思われるのがヤだから、
あえて、お店を転々と変えてた(笑)。

オレ、一人で飲むってことをする習慣がないからわかんないんだけど、
やっぱり、ビールを買って家で飲む、ってのとは違うもんなの?

単純に、飲み屋とか、
こういう店とかにいるのが好きなんだよ。
人と話すのも好きだし、女の子といるのも好きだから、
もちろん、誰かと一緒だったら、ベストだけどね。

一人で居酒屋いる時ってさ、何してる?

新聞読んだり、考えごとしたり、日記書いたりとか。

日記を書く!?

考えてることを書き出すってことだけどね。
だいたい悶々としている時に、一人で行ったりするから。
「俺が一番悩んでるでることってなんだろう」って、
マインドマップ書いたり。

ぶははははは!
居酒屋でマインドマップ書いてるのか。

いや、書くって。
超書いてるよ。
結局何やりたいのかよくわかんなくなるタイプだから、
飲んで、書いて、すっきりさせるっていう。

それはわかるな。
オレも同じでさ。
悩んだ時って、誰かに相談するとかいう前に、
まず、自分一人でとことんまで書き出すってことをやる。

わかるわかる。
やっぱり、答えを持ってる時じゃないと相談しない気がする。
何をしたらいいかわからなくて荒れ狂ってる時に人と接するのはヤだよね。
申し訳ない気もするし、弱いところ見せたくないっていう見栄もあるかもしれないけど。

うんうん。

おととい、試験が終わった後、
すごい落ち込んで、頭真っ白になって、
「一人じゃ生きていけない(笑)」と思って、
ひろきに連絡して、会おう、ってことになったんだけど。
その状態でひろきに会うのは、やっぱり申し訳ないから、
会う前にエクセルシオール行って、
「俺は今何したいんだったっけ」ってことを整理してから会った。

ちゃんとしてるなあ。
オレの場合、ちょっと違うのは、
相手に申し訳ないからっていうよりは、
アウトプットする前に誰かに話しちゃうと、
書き出す言葉が薄まっちゃうからなんだよ。

どういう風に書いてる?
俺は、こうやって、線で繋げていくんだけど。
(モレスキンの手帖をカバンから取り出す)


あ、もう完全に、図なんだね。
オレは、全然書き方が違って、文章で書く。
図とか線とかまったくなくて、小説風。

自分の中で、色んな気持ちが混ざってるじゃない。
感情が荒れてるから、何が大事なのかわからない、っていう時、
単語を書き出していって、どう繋がってるのかを確認して、
ここに行き着く、っていうのを整理してる感じかな。
(2010年10月 渋谷「attic room」にて)

清水宣晶からの紹介】
本人は褒め言葉と受け取らないかもしれないけれど、よしはるは真面目な男だ。しかも、その場しのぎで取り繕った真面目さではなく、ナチュラルボーンに、芯から人間がちゃんとしている。

よしはるが、聞き手として優れているのは、相手に対して素直な共感を持って接する優しさがあるということと、もう一つは、よしはる自身が人一倍多くのことを感じやすい繊細さを持っているということだ。

よしはると話しをしていると、知らず知らずのうちに色々なことを打ち明けてしまう、と、多くの人が言っている。そのカウンセリング能力は、間違いなく、彼の真面目さと誠実さの賜物だろうと思う。

対話集


公開インタビュー


参加型ワークショップ