『ワールド・ブックカフェ』村上春樹の新刊読書会




2013年4月12日(金)に、村上春樹の新刊、
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
が発売になりました。

発売後1週間で100万部を超える話題作となり、
同時期にこれだけ多くの人が読む本というのは
なかなかありませんので、この新刊を題材に、
感想を話し合う読書会を開催しました。

参加者全員でいっぺんに話しをするわけではなく、
「ワールドカフェ」の手法を用いて、
テーブルごとに少人数(4人ずつ)に分かれ、
時間を区切って、場所を入れ替わっていきます。

このやり方は、「聴く」と「話す」を
両方ともバランス良くやりやすく、しかも、
いろいろな人と話しをすることが出来ます。
(※ワールドカフェがどのようなものかは、前回のレポートもご参照ください。)

以下は、当日の様子のレポートです。

【開催概要】
日時:2013年5月9日(木)19:30~21:50
会場:「渋谷 カフェbeez」
 東京都渋谷区渋谷2-22-14 渋谷二丁目ビル7F
参加費:社会人以上1,500円、学生1,000円
参加者:16名
参加条件:当日までに、村上春樹の新刊
 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読了すること


19時に開場し、受付開始です。

ペンを受け取り、名札シールにニックネームを書きます。

19時30分、ワークショップ開始

最初に、ワールドカフェのやり方を説明します。

説明が終わった後は、チーム分け。

参加者同士で誕生日を確認しながら、
日付順に一列に並び、その順番で最初の
テーブルを決めます。


テーブルごとに4人ずつ分かれて座ります。
この数は、「話す」と「聞く」がバランス良く出来る、
ちょうどいい人数なのです。


最初の話し合いがスタート。
決まった手順や流れはありませんが、
お互いの自己紹介や、好きな村上春樹作品の
紹介から始まることが多いようでした。


テーブルの上には大きな模造紙が置かれていて、
出てきた話しや、感じたこと、気がついたことなどを、
自由に模造紙にメモしていきます。

唯一決まっているルールは時間の制限だけ。
25分が経過したところで、1回のラウンドが終了です。


ラウンドが終わった後は、一人だけテーブルに残り、
あとの人たちは、別のテーブルに移動します。
テーブルに残った人は、そのテーブルで出た話しを、
新しくやって来た人に説明して、共有するようにします。


移動した後、次のラウンドがスタート。
お互いのテーブルで出た話しをお互いに伝え合います。

このように、テーブルを越えて話しが伝播していくことを、
ミツバチが花粉を運ぶ様子にたとえて「他花受粉」といい、
ワールドカフェの大きな特徴です。


テーブルに、お菓子が配られます。
話しの途中、飲食は自由。
開場の「beez」では、コーヒーやコーン茶などの飲み物が、
フリードリンクで提供されています。


いわゆる議長やファシリテーターのような、
場をリードする人はおらず、
全員が同じ立場で参加するということも、
ワールドカフェの特徴です。


25分が経ち、ラウンド2が終了。
テーブルマスターの人を残して、
他の人は別のテーブルに移動します。


また次のテーブルで、模造紙の上で
今までの話しが混ざり合いながら、
新しい話しが生まれていきます。

ラウンド3が終了した後は、
再び、最初のテーブルに戻って、
最後のラウンド4の開始。


各自が別のテーブルで話してきた内容を
報告しあいながら、あらためて、
気づいたことなどを話します。


模造紙には、自分の書き込みの横に、
別の人の言葉が書き加えられたりします。
それを見るのも、最初のテーブルに戻ってきた時の
楽しみです。



これで、すべてのラウンドが終了です。

簡単なまとめとして、各テーブルごとに、
どんなことが話されたかを発表していただきました。



ワークショップは21時50分に終了。
最後に、参加者の皆さんで集まって写真撮影。


23時まで会場は貸し切りになっているので、
その場で交流会をおこないました。


今回は、村上春樹作品を全部読んでいるという方から、
今作で初めて読んだという方まで、いろいろな参加者がいて、
とてもバラエティーに富んだ構成だったと思います。


自分一人では気づかなかった様々な視点に気づき、
新たな楽しみ方や掘り下げ方を知り、
これが、同じ本を読んで話し合いをすることの
面白さだなと思いました。

今後のワークショップ開催の情報は、
facebookページでご確認ください。



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