辰野まどか


GiFT (Global Incubation × Fostering Talents)
(社)グローバル教育推進プロジェクト
専務理事/事務局長
ウェブサイトURL:http://j-gift.org

株式会社ドアーズ
プロフェッショナル・パートナー
グローバルエデュケーション・プロデューサー
ウェブサイトURL:http://www.doorz.co.jp

明治学院大学国際学部国際キャリア学科非常勤講師
(サービス・ラーニング担当)

SIT Institute Graduate Institute -Intercultural Service, Leadership and Management- 修士

<学生時代>
世界に共通する教育(グローバル教育)とはなんだろう?これが、17歳の時に芽生えたテーマ。
それを模索するために、大学時代に、世界中を旅するぞ!と決め、自分で自分のためのカリキュラムデザインをする。
その模索のためのカリキュラムでは、日本での面白い若者に会うネットワーキングから始まり、1年間の国際教育プログラムや、東南アジア青年の船に参加、太平洋州の島でボランティア、西アフリカ参加型開発スタディツアーの企画に携わるなどする。
また、中国横断や、アメリカ横断、ヨーロッパ、東南アジア等も周り、35カ国150都市以上を訪れる。
そして、世界に共通する教育は、ひとつのことを「教える」のは難しい、しかし、可能性やゴールを「引き出す」という意味では共通になりうると実感。

<社会人時代>
コーチング専門会社勤務後、地球市民を育成する「グローバル教育」を専門として、米国大学院留学。
その後、米国教育NPOにおいてグローバル教育コーディネーター、国連NY本部開催「平和文化会議」コーディネーター、内閣府主催「世界青年の船」事業コース・ディスッカッション(教育プログラム)主任等を通して、グローバル教育オタク度を上げていく。
これまでに、およそ50カ国訪れ、様々な地域で教育プログラムをセットアップ、実行。
現場のニーズに合わせた社会貢献&体験型学習(サービスラーニング)を意識して実践している。
グローバル教育を一般化させるのが夢。

2013年よりグローバル教育を普及する(社)グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)での活動開始!

自分の名前に「ノマド(遊牧民)」が入っていることに気がつき妙に納得。

固定観念が崩される瞬間

(清水宣晶:) まどかは、今までたくさんの国に行ってるけど、
外国に行くのが好きなの?

(辰野まどか:) 外国に行くのが好きというよりも、
違う価値観に出会うのが好きなのかな。
今まで知らなかったことを知ったり、
「えぇ?そう来る?」ってびっくりするような体験がスゴく好き。

オレは、今自分がいる環境から遠く離れたところに
飛び移る行動を「ワープ」って言うとすると、
そのワープの幅が人生の幅だと思っていて。
ワープの幅が大きかったり、その回数が多いほど、楽しいって思ってる。
そういう感じと似てるかな?

そうだね。
おととい、「NOMADサロン」で
アグリカルチャーワークショップっていうのをやって、
それはまさにワープを体感するんだけど。
アフリカの小さな農村の生活をロールプレイで疑似体験して、
子供がたくさんいる家庭の母親役になった時に、
カロリー計算をしながら子供をどう生かすかとか、
どう食物を育てて売り生活するかとか、
重婚すればサバイブ出来るか、とか過酷な環境をシミュレーションするの。

スゴいね、それ!
実際の、現地の現状に合わせて、状況を設定しているんだ?

そう、イギリスの「開発教育」っていう分野で作られたもので、
実際にアフリカの人にやってもらっても納得してもらえる内容みたい。
それをやると、どうして彼らが学校に行きたいって切望をするのかとか、
重婚をしてしまうのか、とかがわかってくる。

うんうん。

そういうのをどれだけ「ウルルン滞在記」とかで観せても、
実感としては伝わってこないけれど、
実際にそういう役になって疑似体験をすると、
思い込みをはずして見ることが出来るんじゃないかと思う。
「アフリカが遠い」ってことも思い込みかも知れないし、
「アフリカが環境的に恵まれていない」ってことも思い込みかも知れない。

そういう固定観念をはずしたいんだね。

この間、モナコに行った時に、
モナコの友達に、
「寿司作れるか?」って聞かれたんだけどね、

外国の人ってそれ、
興味ありそうだね。

そう。
この質問は、すっごいよくされるんだけど。
「いや、寿司はにぎれない」って答えると、
「何で?」って聞き返されるのよ。
で、「あれはプロが何年も修行して出来るようになるものだから、
私なんかに作れるものじゃない」って説明して。

うん、
そう答えるよね。

近くに日本人の友達もいたんだけど、
その子にも同じ質問をするように言ったら、
その友達も、私とまったく同じ答えを言って。
そうしたら、モナコの友達はそれでも、「どうして?」って聞いてきたの。
「上手に作れなくても、自分のために楽しみでやればいいじゃない」って。
で、私は本当にそうだ、と思って。
寿司ほど身近な食べ物を、人生これだけ長いこと生きてきて
一回もにぎったことがないことに気づいた時、
「あー、私は職人にしかにぎれないものだ、
っていう固定観念にしばられていたな」って思った。

たしかに、そうだよね。
考えてみれば、酢飯と刺身だけあれば作れちゃうのに、
なんで自分で作らないのか不思議だよな。

そう。
結構そういう、固定概念が崩される瞬間が好きなの。

茂木健一郎さんが言う、「Aha!体験」みたいなもんだね。
そういう瞬間は、気持ちいいよね。

やって学ぶタイプ

固定観念をはずすためにさ、
何か、自分なりのアプローチの方法ってある?

研修を仕事にしてた時に使っていた言葉で、
「ラーニングスタイル」っていうのが人それぞれにあるんだけど、
「やって学ぶ」「読んで学ぶ」「聞いて学ぶ」「見て学ぶ」
っていう4種類のタイプがあるらしくて。

うんうん。
その中だと、まどかはどのタイプ?

私は圧倒的に「やる」ことで学ぶタイプ。
自転車でいえば、とにかく乗って、こいで、倒れて乗り方を覚える。

おお。
飛び込んでいく人だなあ。
その、飛び込む対象ってさ、自分から探して行く?
それとも向こうから来るの?

最近は、向こうから来るようになってきたね。

それは、自分自身のブランディングが明確になったからなのかな。
他の人に自分のことを説明する時に、
何をやっている人です、って説明している?

自分の中で専門としておいているのは、
「異文化マネージメント」っていうことで、
多国籍で、バックグラウンドが違う人達の中で、
どうやってチームを作るのかっていうことに関連して動いてる。

「異文化」っていうことに抵抗ないんだね。
日本人て、オレも含めてそうだけど、
異民族の中にいることに慣れてないから、
そういうの苦手な人多いんじゃないかと思うんだけど。

お兄ちゃん(辰野元信)も参加した、
「Up with People」っていうミュージカルグループがあって、
そこで、3日とか4日おきに違う家庭に
ホームステイをするっていうことをやってたのが大きかったね。
それで、80都市を続けてまわったの。

えぇ!?
じゃあ、80以上の家庭にホームステイしたってこと?

異文化交流の千本ノックだね。
その前にも、16歳の時に、母にアメリカに一人で送り出されて。
17歳の時には、3週間ぐらいスイスの国際会議に送り出されて。
英語も話せなかったし、その時はスゴい苦労だったんだけど、
そういうのでだんだん馴染んできた感じ。

随分若い時から、異文化に触れてたんだな。
それは、かなりのキャリアだよ。

その後に日本に戻ってきた時に、
「次に海外に出る時は、日本のよさを伝えられるようになりたい。
まずは、日本を知りたい、日本のオモシロさに出会いたい。」と思って。
そうしたら、王子で、藤沢烈とか、佐藤孝治さんとかに会って、
彼らは日本の同世代をつなげるっていうことをしようとしていて。
それを手伝った時に、多苗さん(多苗尚志)とかいろいろな人とつながったことで、
今でもたくさんのモチベーションを与えてもらっているね。

プロセスを楽しむこと

昔の自分と、今の自分とを較べて、
考え方とか変わってきたところってある?

20代の自分を振り返ると、
「あれしたい、これしたい、こうなりたい」っていう気持ちがすごく強くて、
常に、崖をよじ登って進んで行くような感じだったと思うんだけど。

うんうん。
とにかく、「やって学ぶ」タイプだからね(笑)。

今は、周りの人に「まどかはこれから、どうしたいの?」
って聞かれるんだけど、別に、そこに対しての焦りはないね。
色んな人に会う中で、そこで生まれるものを楽しみながら
日々生きていけばいいのかな、っていう感じに変わってきた。

目標達成志向じゃなくなってきたんだね。

そう。
今まで、コーチングをする時って、まず目標を決めて、
それを達成するにはどうするんだ、って考えてたんだけど、
それになんとなく違和感を感じることがある。
「この人はこれでいいのに、私は何をこの人に強いているんだ」って。

それは、最近の流れだな。
烈も同じ事を言っていたし、オレの周りで、
なんとなくそういう人が増えてきてる気がしてるよ。

そういう時代になってるのかもしれない、っていう感じはするね。
想いが実現しやすくなっていると思う。
固定概念を崩したいって思う大きな理由の一つには、
「幸せになってもいい」って考えを持っていい、
っていう風にしていきたいということがあって。
「年収これぐらいだから、これぐらいの生活ですよ」っていうのって、
本当かウソかわからない固定概念にとらわれているだけで、
本当はもっと心地よく出来る余地があるんじゃないか?って思う。

そうだよね。
オレも、人って誰でも、
やろうと思いさえすればかなり色んなことが出来るものだと思っていて。
たとえば、「今から24時間後にリオデジャネイロにいたい」、
と本気で思えば、そういうことも出来てしまうぐらい、選択って自由なんだよね。

そう、本当にそうで。
さっき言ってた「ワープ」っていうのも同じことで、
それがどこまで出来るかって、
自分の思考の幅がどれだけ開いてるかによると思う。
私自身がプロセスを楽しむことで、
「これだけ好き勝手にやっていいんだ」って
他の人を勇気づけることが出来たら、それが理想だね。
(2008年6月 原宿「Pizza Express」にて)


【ヒトゴトへの一言(辰野まどか)】
生きてきたことを物語にしてくれる。
生きている証を感じさせてくれて、素の自分をレコードしてくれる。
それは、本当に貴重なギフト。
あっきー、ありがとう!

そしてモナコのダンスパーティの話が出ていますが、実は、日本国内でボランティア活動をしていたら、突然主催者の方に招待されたという流れでした・・・。人生何が起きるか分からない、ノマドライフの結果です。

清水宣晶からの紹介】
まどかを特徴づけるものは、その独立独歩の性格だ。
グローバル教育や、コーチングといった言葉がまだ世間に知られていないうちから、未開の地を切り拓き、ようやく世の中にその存在が知られてきた頃には、既にそこを抜けて、常に一歩先の領域に進んでいる。

ある時には草の根のNGO活動に参加していたかと思えば、また別の時には、モナコのダンスパーティーに参加していたりする。その、驚くほどの振れ幅の広さが、あらゆる価値観を柔軟に吸収する素地を作ったのだと思う。

ちょっと大きな話しになってしまうけれど、戦争で何万人もの人の上に爆弾を落とすことが出来てしまうのは、相手の顔がわからずに、「敵国人」という漠然とした記号でまとめてしまっているからだ。
少しの時間でも、面と向かって話しをして、何らかの気持ちを共有した後では、その相手と争うという気持ちは、誰であっても持ちにくいだろうと思う。
そうした相互理解を生み出す、対話というものの効果を、彼女は体感として誰よりもよく知っている。

グローバル化というのは、国家や個人を区別していた垣根が無くなっていくことだ。
まどかは、国境だけではなく、働く場所も時間も、組織という立場の壁も、あらゆるボーダーを取り去ってしまうような、人と人との結びつけ方をしている。
彼女こそ、どこの所属にも固定されることのない、生粋のノマドなのだと思う。

辰野まどかさんとつながりがある話し手の人


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